地震で配管が被害を受けるとどうなるか
地震が発生すると、建物の構造体だけでなく内部の配管にも大きな力がかかります。配管が破損すると給水の停止、漏水による建物への被害、排水管の破断による汚水漏れ、ガス漏洩による二次災害など、深刻な問題が連鎖的に発生します。2011年の東日本大震災では、宮城県内で多くの建物の配管が損傷し、ライフラインの復旧に長い時間を要しました。特に古い建物では鋼管のネジ接合部が外れたり、硬質塩ビ管が折れたりする被害が多く報告されています。地震による配管被害は建物の揺れだけでなく、地盤の液状化や不同沈下によっても発生します。建物と地中埋設管の接続部は、建物と地盤が異なる動きをするため特に被害を受けやすい箇所です。マンションやビルでは配管の破損が上下階の漏水被害につながり、復旧に多額の費用がかかるケースも少なくありません。
耐震配管の種類と特徴
耐震性に優れた配管材料・工法にはいくつかの種類があります。まず架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの樹脂管は、柔軟性が高く地震の揺れに追従できるため、破断しにくい特性があります。特にヘッダー方式で施工すると継手の数が最小限に抑えられ、漏水リスクがさらに低減します。次にステンレス鋼管のフレキシブルジョイントは、配管の伸縮や変位を吸収する可撓(かとう)継手で、建物のエキスパンションジョイント部や配管の地中引込部などに設置することで地震時の変位に対応します。また、耐震型の継手として開発されたGX形ダクタイル鋳鉄管は、水道本管に使用される耐震管で、管路全体が一体となって伸縮・屈曲するため、大きな地盤変動にも対応できます。上水道の本管から建物への引込管には、ステンレス製のフレキシブル管を使用することで、地盤と建物の相対変位を吸収し、引込部での破損を防ぎます。
既存建物の配管耐震化のポイント
既存の建物で配管の耐震性を高めるには、いくつかのアプローチがあります。最も効果的なのは配管の全面更新で、古い鋼管を柔軟性のある樹脂管に交換する方法です。しかしコストと工期がかかるため、優先順位をつけて段階的に進めるのが現実的です。優先度が高いのは、建物の地中引込部の耐震化、エキスパンションジョイント部への可撓継手の設置、そして腐食が進んだ既存配管の更新です。配管の支持・固定方法の見直しも重要です。配管を建物の構造体にしっかり固定し、適切な間隔で支持金具を設けることで、地震時の配管の振れを抑制できます。ただし固定しすぎると建物と配管の動きの差異を吸収できなくなるため、適所に伸縮継手やフレキシブル接続を挿入するバランスが大切です。防振ハンガーやスプリングサポートを使用することで、振動を吸収しながら配管を支持する方法もあります。マンションの場合は大規模修繕計画に配管の耐震化を組み込むことで、効率的かつ計画的に対策を進められます。
地震後の配管点検の重要性
大きな地震の後は、目に見える被害がなくても配管の点検を行うことが重要です。地震直後は問題がないように見えても、接合部の緩みや微小なひび割れが徐々に漏水につながるケースがあります。点検のポイントとしては、水道メーターを確認して全ての蛇口を閉めた状態でメーターが動いていないかチェックする方法が手軽です。メーターが少しでも動いていれば、どこかで漏水が発生している可能性があります。ガス配管については、ガスメーターのマイコンメーターが安全装置で遮断されている場合は、むやみに復帰操作をせず、ガス臭がしないことを確認してから所定の手順で復帰してください。排水管は水を流してみて、いつもと違う音がする、流れが悪い、床下から異臭がするなどの異常があれば、管の破損や勾配の変化が疑われます。震度5弱以上の地震を経験した場合は、専門業者による配管の詳細点検を受けることをおすすめします。
森工業の耐震配管工事
森工業では、配管の耐震診断から耐震化工事まで対応しております。東日本大震災の被災地である宮城県に根ざす企業として、地震への備えの重要性を身をもって知っています。既存建物の配管耐震化のご相談や、新築時の耐震配管設計のアドバイスなど、お気軽にお問い合わせください。現地調査のうえ、建物の状況に応じた最適な耐震対策をご提案いたします。
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