新築時の給排水工事はいつから始まる?
新築住宅の建設において、給排水工事は建物の骨格が出来上がる前後から着手します。具体的には、基礎工事の段階で土中に排水管を埋設する「先行配管」が行われ、その後の上棟・内装工事と並行しながら給水管・給湯管・排水管を建物内に配管していきます。このため、給排水設備の設計は建物の設計図が確定する前から建築士・施工業者と連携して進める必要があります。配管のルートは壁の中・床下・天井裏を通るため、後から変更することが非常に難しく、設計段階での正確な配置計画が完成後の使い勝手やメンテナンス性を大きく左右します。たとえばキッチンや浴室の位置が離れすぎると排水勾配の確保が難しくなり、詰まりやすい排水管になってしまうケースがあります。設計段階で給排水業者が建築士や工務店と綿密に協議し、最適な配管ルートと仕様を決めることが、長く快適に使える住宅の基礎となるのです。また、新築時は将来の設備増設(例:2階への洗面台追加やウォシュレット設置)を見越した配管スペースの確保も重要な検討事項です。
給水管・給湯管の設計ポイント
新築住宅の給水管には、架橋ポリエチレン管(PEX管)やポリブテン管などの樹脂管が広く採用されています。これらは柔軟性が高く地震の揺れに追従しやすい点、錆びによる赤水が発生しない点、ワンタッチ継手で施工できるため施工ミスが少ない点が評価されています。配管方式は、ヘッダー(分岐ヘッダー)から各水栓へ1本ずつ個別に配管する「ヘッダー方式」が主流となっています。途中に継手がないため漏水リスクが低く、将来的に特定の水栓だけ水を止めて工事できるメリットもあります。給湯管についても同様にヘッダー方式が増えており、給湯器から各水栓までの距離を統一することで、使い始めにお湯が出るまでの時間(給湯待ち時間)を短縮できます。設計上のポイントとして、給水引き込み管の口径も重要です。一般的な住宅では20mm口径が標準ですが、水栓数が多い場合や同時使用が多い場合は25mm以上への口径アップを検討する必要があります。口径が不足すると、複数の水栓を同時使用したときに水圧が極端に落ちるという不便が生じます。給湯器の設置場所も設計時に慎重に決める必要があり、各水栓までの配管距離が長いほど熱ロスが大きくなり、光熱費の増加につながります。
排水管の設計ポイント
排水管の設計で最も重要なのは「勾配」の確保です。排水管は重力の力で水を流す仕組みのため、適切な傾きがないと汚物が滞留して詰まりの原因になります。一般的な排水管の勾配は1/100(100mmに対して1mm下がる)が最低限の目安であり、管径が細いほど勾配を大きくとる必要があります。建物の間取りや基礎の高さによっては、必要な勾配を確保するために排水管の経路を大きく迂回させたり、床下の高さを上げたりする必要が生じることもあります。これが設計段階から給排水業者が関与することが重要な理由の一つです。また、排水が直接公共下水道に接続されるルートを確保する必要があり、宅内の排水桝(点検口付きのマス)を適切な箇所に設置することで、将来の詰まり時に清掃・点検がしやすくなります。トイレの排水管は便器の設置位置によって床下の配管経路が制約されるため、間取り計画と一体で検討する必要があります。一般的にトイレの排水管は他の排水管より口径が大きく(75mm〜100mm)、勾配の管理も重要です。特に2階トイレを設置する場合は、1階の天井を貫通して立て管(縦方向の排水管)を設置する必要があり、その経路を事前に建築設計図に落とし込んでおくことが欠かせません。
増築時の配管工事で注意すること
既存住宅に部屋や水回り設備を増築する場合、既存の配管系統への接続が必要になります。このとき課題となるのが、既存配管の位置・口径・状態の確認です。増築前に既存の給排水管がどこを通っているか、口径は何mmか、老朽化していないかを調査することが重要です。特に築20年以上の住宅では、既存の給水管が鋼管(鉄管)の場合があり、増築部分を樹脂管で施工しても接続部でサビが混入するリスクがあります。このような場合は増築部分の施工だけでなく、既存配管の更新も合わせて検討することを推奨します。排水管の接続については、増築によって排水ルートが長くなることで勾配が取れなくなるケースがあります。接続先の排水桝の位置・深さと増築部分の床下高さを事前に確認し、勾配を確保できるルートを設計段階で検討する必要があります。また、増築部分が建物の一部として建築確認申請の対象になる場合は、給排水設備の設置についても建築基準法や水道法に基づく届出・申請が必要になることがあります。地元の水道局や行政の窓口に事前に確認しておくことが大切です。
公共下水道接続と水道引き込みの手続き
新築住宅では、水道本管からの給水引き込み工事と、公共下水道への接続工事が必要です。水道引き込み工事は、前面道路に埋設された水道本管に分岐栓(サドル分水栓)を設けて、敷地内の水道メーターまで給水管を引き込む工事です。この工事は水道局が指定する指定給水装置工事事業者のみが施工でき、工事前に水道局への申請が必要です。工事費用は道路から建物までの距離や道路構造によって異なりますが、一般的な住宅では30万〜60万円程度が目安となります。公共下水道への接続工事(排水設備工事)では、宅内の排水を公共下水道の汚水桝に接続するための宅内排水管を敷設します。こちらも排水設備工事の指定業者が担当し、排水設備確認申請や工事確認の手続きが必要です。農業集落排水や合併浄化槽を利用している地域では、接続先の仕様に合わせた設備の設置が必要になります。これらの申請・手続きは地域の水道局や市区町村によって異なるため、早めに確認して工事スケジュールに余裕を持たせることが大切です。森工業では、これらの手続きのサポートから施工まで一貫して対応しています。
森工業の新築・増築配管工事について
森工業では、新築住宅・集合住宅の給排水設備工事から、工場・倉庫の増設に伴う配管工事まで幅広く対応しております。設計段階から建築士・工務店と連携し、使い勝手とメンテナンス性を両立した配管設計をご提案します。水道引き込み・下水接続工事の申請手続きから施工・完了検査まで一貫してサポートいたしますので、「新築で給排水工事をどこに頼めばよいかわからない」という方もお気軽にご相談ください。宮城県内全域に対応しております。
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