
分譲マンションで水漏れが起きたら、誰の責任?
分譲マンションで水漏れが発生したとき、まず問題になるのは「誰が責任を負うのか」という点です。賃貸マンションと異なり、分譲マンションでは建物の所有区分が複雑で、「専有部分」「共用部分」によって責任の所在が大きく変わります。
専有部分(区分所有者の責任範囲) 各住戸の室内にある給排水設備(給水管・給湯管・排水管・水栓・浴槽など)は原則として専有部分に含まれます。ここから漏水が発生した場合は、その部屋の区分所有者が修理費用と階下への損害を負担するのが原則です。
共用部分(管理組合の責任範囲) 各住戸に分岐する前の給排水本管や排水立管、廊下・エレベーターホールの設備などは共用部分です。共用部分からの漏水は管理組合(管理会社)が対応します。ただし、どこまでが専有部かはマンションの管理規約や図面によって異なるため、竣工図面や管理規約を確認することが重要です。
階下への水漏れ損害賠償の仕組み

上階の専有部から水漏れが起き、階下の住戸に被害が出た場合、階下の所有者は上階の所有者に対して損害賠償を請求できます(民法709条・717条)。賠償の対象となる主な損害は次のとおりです。
- 天井・壁・床などの建物修繕費用
- 家具・家電・衣類など動産の被害
- 一時的な転居費用(被害が大きく生活できない場合)
- 精神的苦痛に対する慰謝料(ケースによる)
ただし、民法717条の土地工作物責任は「工作物の設置・保存に瑕疵があった場合」に適用されるため、水漏れの原因が経年劣化・老朽化か、使用者の過失かによって法的根拠が変わることがあります。実務上は双方の保険を使って解決するケースが大半です。
漏水発生時の対応フロー
水漏れが発生した、あるいは階下から「天井から水が漏れている」と連絡が来た場合の対応手順を確認しておきましょう。
Step1: 止水・応急処置 まず水の流出を止めることが最優先です。室内の止水栓を閉め、それでも止まらない場合は玄関付近の元栓または共用廊下のバルブを操作します。緊急時には管理会社や水道工事業者に連絡して専門家に依頼してください。
Step2: 管理会社・管理組合への連絡 漏水が発生したことを速やかに管理会社に報告します。管理会社は被害の状況確認・原因特定・関係者への連絡調整を行います。専有部からの漏水でも、管理会社が仲介役として動いてくれるのが一般的です。
Step3: 原因の特定(漏水調査) 配管のピンホール・継手の緩み・水栓の劣化・洗濯機ホースの外れなど、原因を特定するために専門業者による漏水調査が必要です。原因箇所が専有部か共用部かで費用負担が変わるため、管理組合・管理会社と連携して調査を進めましょう。
Step4: 保険会社への連絡 自室の火災保険や個人賠償責任保険の担当に連絡します。被害状況・原因・修繕費用の見積りを提出し、保険適用の可否を確認してください。
Step5: 修繕工事の実施 原因箇所の修繕を専門業者に依頼します。被害を受けた階下住戸の修繕についても、保険を通じた損害賠償が完了するまで密に連絡を取り合うことが重要です。
活用できる保険の種類
個人賠償責任保険(賠償保険) 上階から階下への漏水損害を賠償するために最も重要なのがこの保険です。火災保険の特約として付帯されていることが多く、多くの分譲マンション所有者が加入しています。補償の上限・免責金額・対象となる事故の範囲を事前に確認しておきましょう。
保険が適用される主なケース:
- 浴槽の水があふれて階下に被害を与えた
- 洗濯機ホースが外れて大量漏水した
- 給水管・給湯管が劣化・腐食して漏水した
- 蛇口の水栓が破損して漏水した
火災保険(建物・家財) 自室の建物・家財が損害を受けた場合は、自分が加入している火災保険(水濡れ担保)を使います。ただし「水濡れ」の特約が付帯されていることが必要です。また、「自分の過失による漏水」と「もらい水(上階などからの漏水被害)」では請求先が異なります。
マンション管理組合の保険 管理組合が加入している施設賠償責任保険やマンション総合保険でカバーされる場合もあります。共用部分の欠陥が原因の場合は管理組合の保険が適用されます。管理規約や保険の内容を管理組合に確認してみましょう。
経年劣化が原因の場合の責任
配管の経年劣化が漏水の原因だった場合、「誰が責任を持つべきか」はしばしば問題になります。
分譲マンションでは、区分所有者は専有部分の維持管理責任を負います。老朽化した配管を適切にメンテナンス・更新せずに放置し、その結果として漏水が発生した場合は、原則として区分所有者の責任と判断されます。
一方、マンション全体の給排水管は老朽化が進んでも個人では替えにくく、大規模修繕の計画に組み込まれていないと後回しになりがちです。築20〜30年以上のマンションでは、各住戸の専有部配管の更新を管理組合と連携して計画的に進めることが漏水防止の重要な対策となります。
漏水トラブルを防ぐための日常管理
- 止水栓・元栓の位置を把握しておく: 緊急時に素早く閉められるよう、場所と操作方法を確認しておきましょう
- 定期的に水栓・排水口を点検する: 腐食・サビ・異臭・シミなど劣化のサインを見逃さないようにします
- 洗濯機ホースはステンレスベルト付きに交換する: ゴムホースは劣化で外れやすく、大量漏水の原因になります
- 外出・旅行時は元栓を閉める習慣をつける: 不在時の漏水は発見が遅れ、被害が拡大しやすいです
- 個人賠償責任保険への加入・更新を確認する: 保険が失効していると、階下への賠償を全額自己負担することになります
まとめ
分譲マンションで専有部から水漏れが発生した場合、その修繕費用と階下への損害賠償は区分所有者が原則として負担します。個人賠償責任保険や火災保険を適切に活用することで、経済的な負担を軽減できますが、保険の内容や手続きは事前に確認しておくことが大切です。
漏水が発生した際は、まず止水・応急処置を行い、管理会社・保険会社・専門業者へ速やかに連絡することが被害を最小限に抑える鍵です。宮城・仙台エリアでの漏水調査・配管修繕についてのご相談は、森工業株式会社にお気軽にお問い合わせください。緊急対応にも迅速に対応いたします。
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