
液状化・地盤沈下と配管被害の関係
大地震が発生すると、地面の揺れそのものによる破損だけでなく、「液状化」や「地盤沈下」によって配管が深刻なダメージを受けることがあります。液状化とは、砂地盤が地震の振動で水を含んだ状態になり、地盤全体が一時的に流動化する現象です。液状化が起きると地中の配管が浮き上がったり、継手部分がずれたり、地面が不均一に沈下することで管が折れ曲がったりします。
東日本大震災(2011年3月11日)では、宮城県の沿岸部・埋立地・河川沿い低地を中心に液状化が広域で発生しました。仙台市若林区・宮城野区や名取市・岩沼市などで多数の配管被害が確認され、上下水道の復旧に数週間〜数ヶ月を要した地区もありました。森工業は震災後の配管復旧工事にも数多く携わり、液状化による被害の特徴と対処法を現場で学んできました。
液状化・地盤沈下が配管に与える主な被害

配管の浮き上がり(フローティング):液状化した地盤は浮力が増すため、地中に埋まっている塩ビ管などの軽い配管が浮き上がります。特に排水管や下水管は管内が空に近い状態が多いため浮力を受けやすく、継手の抜けや破断が起きます。
不同沈下による管の折損・継手離脱:建物基礎と周囲の地盤が異なる量だけ沈下(不同沈下)すると、建物から引き込まれている給水管・排水管・ガス管に無理な力がかかり、折損や継手の抜けが発生します。宮城での震災事例でも、建物本体より引き込み部分の損傷が多く確認されました。
土圧変化による管のひずみ:地盤が側方流動(横方向に動く現象)を起こすと、配管に横方向の力がかかり曲がりや破断が生じます。特に鋳鉄管や鋼管など古い材料の配管は急激な変形に弱く、被害が大きくなる傾向があります。
衛生設備との接続部の破損:トイレの排水管や洗面台の排水トラップは、床面の沈下量が微妙に異なることで接続部がゆがみ、漏水が起きやすくなります。
被害発生時の応急処置
液状化や地盤沈下による配管被害が疑われる場合、まず以下の応急処置を行ってください。
1. 水道・ガスの元栓を閉める:配管が破損した状態で使用を続けると漏水や漏気を拡大させます。屋外の水道元栓(メーターボックス内)とガスの元栓を速やかに閉じてください。ガス臭がする場合はガス会社に緊急連絡し、換気を最優先してください。
2. 配管の目視確認:屋外で露出している配管や床下・基礎近くの引き込み部分を目視で確認します。継手の脱落・亀裂・水のにじみ・地面の異常な湿り気がないかチェックしてください。
3. 排水の使用を制限する:排水管の損傷がある状態でトイレや排水を使用すると、汚水が床下や地中に流出します。専門業者が調査するまで排水の使用は最小限にとどめてください。
4. 被害状況の記録:修繕・保険申請・補助金申請のために、被害の様子を写真・動画で記録しておきましょう。日時と場所の記録もあると手続きがスムーズです。
復旧工事の流れ
調査・診断:まず配管カメラや管内圧力試験を使って、どの区間がどのように損傷しているかを正確に把握します。地盤沈下が続いている場合は、地盤が安定してから工事に入るほうが再発リスクを下げられます。
仮復旧(緊急対応):生活用水の確保が急務な場合は、臨時の配管ルートを設けたり、仮設配管で最低限の給水を確保する応急工事を行います。
本復旧工事:損傷した配管を掘削・露出させ、破損区間を新材料に交換します。液状化の影響が大きい地区では、継手に可とう性(柔軟性)の高い製品(NS形ダクタイル鋳鉄管・フレキシブル継手など)を採用し、将来の地盤変動にも対応できる施工を行います。
地盤改良との連携:建物基礎周辺の地盤が著しく劣化している場合は、地盤改良工事と並行して配管更新を計画するのが合理的です。地盤が安定しない状態で配管だけ復旧しても、再度の不同沈下で損傷する恐れがあります。
液状化しやすいエリアと事前の耐震対策
宮城県では、国土交通省と県が公表している「液状化ハザードマップ」を参照することで、所在地の液状化リスクを事前に確認できます。埋立地・旧河川跡地・海岸砂丘地帯・盛土造成地は特にリスクが高い傾向があります。
液状化リスクの高いエリアでは、以下の耐震対策を事前に講じることで被害を最小限にできます。
可とう性継手の採用:建物の引き込み部や地盤が変化しやすい箇所に、変位を吸収できる伸縮・可とう継手を設置します。
離脱防止継手の採用:NS形・GX形ダクタイル鋳鉄管など、耐震継手規格品への更新が有効です。宮城県の一部水道事業体では幹線での耐震化を進めており、引き込み管側での対応も推奨されています。
配管支持の強化:地中配管の不意な浮き上がりを防ぐため、適切な深さへの埋設と締め固めが基本です。また建物側の固定金具・クランプが経年劣化していないか定期点検することも重要です。
宮城・仙台の地震・液状化対策なら森工業へ
森工業は東日本大震災後の配管復旧工事の経験を活かし、液状化リスクの高いエリアでの耐震化工事にも対応しています。「液状化マップで要注意エリアにかかっている」「震災後に配管の調子が悪い」「引き込み管を耐震継手に更新したい」など、宮城県内の工場・事業所・施設の方はお気軽にご相談ください。現地調査のうえ、最適な対策プランをご提案いたします。
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