
水栓パッキンとは何か
水栓(蛇口)のパッキンとは、金属部品の接続箇所や弁体に使われるゴム製のリングのことだ。配管の接続部に圧着することで水の漏れを防ぐ「シール材」の役割を担っており、水道システムの中でも消耗しやすい部品の一つである。
パッキンはゴム製のため、長年の使用によって硬化・摩耗・亀裂が生じ、密着力が失われていく。この状態になると蛇口を閉め切っても水が漏れるようになる。「ポタポタ」という水垂れの多くはパッキンの劣化が原因であり、パッキンを新品に交換するだけで解決できることが多い。
ただし、水栓の種類によって交換すべきパッキンの種類が異なる。代表的なものを以下で説明する。
主要なパッキンの種類

コマパッキン(ケレップ)
単水栓や2ハンドル混合水栓(左右に別々のハンドルがある旧式タイプ)に使われるパッキンだ。「コマ」とも「ケレップ」とも呼ばれ、スピンドルと呼ばれる回転軸の先端に取り付けられている。ハンドルを回すとスピンドルが上下し、コマパッキンを弁座に押しつけることで止水する仕組みだ。
劣化するとハンドルを強く閉めても水が垂れ続けるようになる。ホームセンターで数十円〜100円程度で入手でき、サイズは呼び径13mm(一般家庭用)が標準的だ。
Uパッキン(三角パッキン)
スピンドルの根元部分に使われるパッキンで、断面がU字形またはV字形のリングだ。「三角パッキン」とも呼ばれる。ハンドル根元から水が染み出る場合はこのUパッキンの劣化が疑われる。
コマパッキンとUパッキンが同時に劣化していることも多いため、どちらか一方を交換する際に両方まとめて換えておくと効率的だ。
Oリング
水栓内部のさまざまな箇所でシールとして使われる円形のゴムリングだ。ナットと管の接続部など複数箇所に使われており、素材と外径が合うものを選ぶ必要がある。水栓下部のホース接続部や可動部付近から漏れる場合はOリングの劣化が原因のことが多い。
コマパッキンの交換手順
用意するもの
- モンキーレンチまたはウォーターポンプレンチ
- マイナスドライバー
- 新しいコマパッキン(サイズを事前確認)
- タオル・バケツ
手順
1. 止水栓を閉める: シンク下の止水栓をマイナスドライバーで右に回して閉める。止水後、蛇口を開けて残水を出し切る。
2. ハンドルを外す: ハンドル上部のキャップ(丸いプラスチック製の蓋)を外すと、中にネジがある。このネジをプラスドライバーで外し、ハンドルを引き抜く。
3. スパウト根元のナットを外す: ハンドルの下にあるナット(六角形)をモンキーレンチで左に回して緩め、取り外す。
4. スピンドルを取り出す: ナットを外すとスピンドル(金属製の軸)が引き抜ける。先端にコマパッキンが付いているので取り外す。古いコマパッキンをマイナスドライバーでこじって外し、新しいものを取り付ける。
5. 逆の手順で組み付け: スピンドルを戻し、ナットを締め、ハンドルを取り付けてキャップを閉める。
6. 試通水: 止水栓をゆっくり開き、水漏れがないか確認する。
Uパッキン(三角パッキン)の交換手順
コマパッキン交換と手順が似ているが、スピンドルを取り出した後、根元のパッキン押さえを外してUパッキンを交換する点が異なる。Uパッキンは向きがあるため、古いパッキンと同じ向きで取り付けることが重要だ。向きを逆にすると止水できなくなる。
パッキン交換がうまくいかないケース
サイズが合わない
パッキンは外径・内径・厚みが各メーカーの型番によって細かく異なる。「13Aコマパッキン」という表記でもメーカーによって微妙に寸法が違うことがある。古いパッキンを持参してホームセンターで照合するか、水栓のメーカー・型番を調べて純正品を取り寄せるのが確実だ。
部品が固着している
長年使用した水栓のナットやスピンドルは水垢や錆で固着し、工具をかけても動かないことがある。無理に回すとスピンドルのネジ山を壊したり、水栓本体を破損する恐れがある。このような場合は水栓ごとの交換を検討するか、専門業者への依頼が安全だ。
シングルレバー混合栓はパッキン交換で直らない
シングルレバー式の水栓にはコマパッキンではなくセラミックカートリッジが使われているため、パッキン交換の概念が異なる。シングルレバー式で水が垂れる場合はカートリッジ交換が必要だ(別記事参照)。
プロへの依頼が必要な場面
- 止水栓自体が固着して閉まらない
- 水栓のナットやスピンドルが破損した
- 配管自体のサビや腐食が見つかった
- パッキン交換後も水漏れが止まらない
こうしたケースでは水栓交換や配管補修が必要になる場合があり、資格を持った水道工事業者への相談が望ましい。
まとめ
水栓のパッキン交換は、適切な工具とサイズが合ったパッキンがあれば比較的取り組みやすい修理だ。コマパッキンはスピンドル先端、Uパッキンはスピンドル根元にそれぞれ使われており、交換の際は両方をセットで確認・交換するのが効率的である。ただし、部品の固着や配管の腐食が絡む場合は無理なDIYを避け、早めに専門業者へ相談することが水回りトラブルの拡大防止につながる。
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