
追い焚き配管は「見えない衛生リスク」の温床になりやすい
「追い焚き」機能は便利ですが、仕組みを正しく理解して使わないと浴槽のお湯に雑菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。追い焚き配管(循環配管)は、浴槽のアダプター(穴)から水を吸い込み、給湯器内部を通って再び浴槽に戻すループ構造です。この配管内には常に水(または残り湯)が存在するため、皮脂・石けんカス・水垢・バイオフィルムが蓄積しやすい環境になっています。
特に注意が必要なのがレジオネラ菌(Legionella)の繁殖です。レジオネラ菌は25〜45℃の温水環境で増殖し、エアロゾル(霧状の水分)を吸い込むことで肺炎(レジオネラ症)を引き起こすことがあります。ジャグジーやシャワーを使うと細かい水滴が空気中に漂うため、汚染された配管で繁殖した菌を吸い込むリスクがあります。
追い焚き配管が汚れるメカニズム

浴槽に入ると、人体から皮脂・汗・洗剤・化粧品・毛髪などが浴槽水に溶け込みます。追い焚き機能を使うと、この汚れた浴槽水が循環配管内を通って給湯器に送られます。給湯器内部のフィルターがある程度汚れを捕らえますが、細かな有機物は配管内壁にバイオフィルム(ぬめり・生物膜)として付着していきます。
バイオフィルムは細菌の温床となります。一度形成されると通常の水流だけでは取り除くことが難しく、塩素による殺菌も効きにくくなります。これがレジオネラ菌などの細菌が繁殖しやすい大きな原因のひとつです。
自分でできる日常的なケア
入浴後すぐに追い焚き配管を「空洗い」する
最も効果的な日常ケアは、入浴後すぐにお湯を抜く前に追い焚き運転を行うことです。これにより配管内の残留汚れを浴槽側に押し出せます。その後、浴槽を洗って排水することで清潔な状態を維持できます。
市販の配管クリーナーを定期的に使用する(月1〜2回)
ドラッグストアやホームセンターで販売されている「風呂釜・追い焚き配管クリーナー」(過酸化水素系・酸素系漂白剤タイプ)を使うことで、配管内のバイオフィルムや汚れをある程度除去できます。一般的には水を満たした浴槽にクリーナーを溶かして追い焚き運転を行い、一定時間放置してから排水する手順です。製品ごとの使用方法を確認してください。
浴槽アダプター(循環口)のフィルター清掃(週1回程度)
浴槽の側面についている循環口(フィルター付き)は取り外して清掃できます。石けんカス・皮脂・ぬめりが付着しやすい部分なので、古い歯ブラシや専用ブラシで定期的にこすり洗いしてください。
専門業者によるハイレベル清掃が必要なケース
月1〜2回の配管クリーナー使用でも、完全には除去できない汚れやバイオフィルムが経年で蓄積していきます。以下のような状況では専門業者への依頼を検討してください。
- 追い焚き後のお湯が黒ずんだり、白い浮遊物が出てきたりする
- お湯に独特の臭い(カビ臭・石けん臭・機械臭)がする
- 1年以上、配管の清掃を行っていない
- 高齢者・乳幼児・免疫力の低い方が同居している
- ジャグジー・バブルバス機能を頻繁に使用している
業者による専門清掃では、高濃度の洗浄剤を使った循環洗浄・配管内の高圧洗浄・給湯器内部のフィルター清掃などが行われます。自宅ケアでは届かない配管奥部のバイオフィルムを取り除くことができます。
給湯器本体の寿命と追い焚き配管の更新
給湯器本体の耐用年数は一般的に10〜15年です。本体交換の際には追い焚き配管(浴槽まわりのフレキシブル管や屋外配管)も同時に点検・更新することをおすすめします。配管が本体より先に劣化している場合、新しい給湯器を接続しても水漏れ・臭い戻りが起きるケースがあります。
また、2穴式(旧型風呂釜用)の配管から1穴式の追い焚き配管に変更する場合や、システムバスへのリフォームを伴う場合は、配管の全面的な見直しが必要です。
まとめ
追い焚き配管は日常的な清掃習慣があれば衛生的に維持できますが、放置すると雑菌・バイオフィルム・レジオネラ菌のリスクが高まります。月1〜2回の配管クリーナー使用と週1回の循環口清掃を基本ケアとして続けながら、年1回は専門業者による徹底清掃を組み合わせることが理想的です。給湯器の交換や配管修繕をご検討の方は、森工業にお気軽にご相談ください。
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