
なぜ引き渡し前の検査が重要か
新築住宅やリフォーム後の物件を引き渡す前に行う給排水設備の最終検査は、入居後のトラブルを防ぐ最後の砦です。工事中の見落とし・施工不良・部材の初期不良を竣工時点で発見し是正することで、引き渡し後の漏水事故・排水不良・設備不具合を未然に防ぎます。
引き渡し後に「床下から水音がする」「トイレが詰まりやすい」「浴室の水がなかなか抜けない」といったトラブルが発覚した場合、原状回復のための工事費は施工業者の負担となることが多いですが、壁や床を開口する手間・住人への迷惑・信頼損失は取り返せません。施主側も引き渡し前に自分でチェックすることで、後悔のない引き渡しが実現します。
業者が行う最終検査の内容
配管工事業者・施工管理者が引き渡し前に実施する主な検査項目を紹介します。工程ごとの品質管理の考え方は配管工事の工程管理と品質検査でも詳しく解説しています。
給水系統の検査
水圧試験(耐圧試験) 給水管が正しく施工されているかを確認する最重要検査です。配管系統を閉じた状態で規定の試験圧力(一般的には0.75MPa以上)をかけ、一定時間(30分以上)保持して圧力降下がないことを確認します。圧力が下がれば管のどこかに漏れがあることを示し、再調査・補修が必要です。水道法の規定に基づき、指定給水装置工事事業者による実施と記録が求められます。
通水試験・流量確認 各水栓・シャワー・洗浄弁を開いて正常に水が出ること、水量・水圧が設計値に見合っていることを確認します。特に2階・3階の上層階での水圧不足がないか確認が必要です。
湯沸かし・給湯設備の試運転 給湯器・ヒートポンプ・電気温水器などを試運転し、設定温度通りのお湯が出ること、エラー表示が出ないこと、安全装置が正常に動作することを確認します。給湯管の接続に緩みがないかも目視で確認します。
排水系統の検査
通水・流下試験 各排水口に水を流して管内を通水し、スムーズに排水されることを確認します。流下速度が遅い、水がゆっくり抜けるといった場合は勾配不足・排水管の詰まり・接続ミスの可能性があります。
排水管勾配の確認 排水管は適切な勾配(一般的に1/100以上)がないと汚物が管内に残留して詰まりの原因になります。施工後に勾配を目視・レベル計測で確認します。特にスラブ貫通部・床下の横引き管で勾配が確保されているかが重要です。
トラップ・通気管の確認 排水トラップ(封水)が正常に機能すること、通気管が正しく接続されていることを確認します。通気管の不具合は排水時の「ゴボゴボ音」や臭気逆流の原因になります。
衛生器具の確認
トイレ・洗面台・ユニットバス・キッチンシンクなど各衛生器具について、以下を確認します。
- 水栓の締め・開き動作が滑らか
- シャワーヘッド・蛇口からの水漏れがない
- トイレの洗浄・停水が正常
- 排水口周りのシーリング施工がされている
- 各器具の取り付けが固定されており、ぐらつきがない
施主が引き渡し前に確認すべきチェックリスト
業者の検査完了後、施主自身が立ち会って確認する項目です。書面でリストを持参し、不具合は口頭確認だけでなく記録に残すことを強くおすすめします。
給水・給湯関係
- [ ] 全ての水栓で水・お湯が正常に出る
- [ ] 給湯器のリモコンが正常に動作する
- [ ] 水圧試験の結果記録を書面で受領した
- [ ] 水道局への完了届出済み証明(または確認書)を受領した
- [ ] 水道メーター設置・検針員の確認済み
排水関係
- [ ] 全ての排水口でスムーズに排水できる
- [ ] 排水後に異音(ゴボゴボ・ドボドボ)がしない
- [ ] 排水口周りにシーリングが施されている
- [ ] 点検口・床下収納から床下配管が目視確認できる(可能な場合)
衛生器具・附属品
- [ ] 各水栓のハンドルやレバーが正常に操作できる
- [ ] シャワーホース・ヘッドに亀裂・漏れがない
- [ ] トイレタンクの補水が正常に完了する(止水が確認できる)
- [ ] 洗面台・キッチン下の収納内に水漏れ痕がない
- [ ] 給湯器の取扱説明書・保証書・施工証明を受領した
書類関係
- [ ] 完成竣工図(配管系統図)を受領した
- [ ] 使用機器のメーカー保証書・取扱説明書一式を受領した
- [ ] 施工業者の瑕疵担保責任(保証年数・範囲)を書面で確認した
- [ ] 竣工検査の記録・完成届の写しを受領した(詳細は水道工事の竣工検査と書類作成を参照)
引き渡し後に不具合が出た場合
引き渡し後に給排水設備の不具合が発覚した場合、施工業者の瑕疵担保責任(2020年民法改正後は「契約不適合責任」)が適用されます。給排水設備工事の保証年数や保証範囲は、契約内容や住宅の種類によって異なるため、引き渡し時に施工業者へ書面でご確認ください。不具合の症状・発見日・写真を記録し、まず施工業者へ書面で通知することが大切です。
保証期間外・保証対象外の不具合は有償修理となりますが、早期発見・早期修繕で被害を最小限に抑えられます。新設・更新後の水質面が気になる場合は配管工事後の水質検査完全ガイドもあわせてご確認ください。仙台・宮城エリアで引き渡し後のアフターフォローや給排水トラブルでお困りの際は、森工業にお気軽にご相談ください。
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