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圧力試験とは?なぜ配管工事後に必須なのか
配管工事が完了したら、必ず実施しなければならない工程が圧力試験(水圧試験・気圧試験)です。圧力試験とは、配管内に規定の圧力をかけた状態で一定時間保持し、圧力降下(漏水の有無)を確認する検査です。
この試験が重要な理由は明確です。配管が壁や床に隠蔽された後で漏水が発覚した場合、内装を剥がして漏水箇所を探し出す作業が必要となり、補修費用が大きく膨らみます。圧力試験は工事完了直後、内装仕上げ前に実施することで、万一の漏水を早期発見し、手戻りを最小限に抑える品質管理の要です。
宮城県内では、指定給水装置工事事業者による給水装置工事は、工事完了後に仙台市水道局や各市町村の水道事業体に完了検査を申請する必要があります。この検査の際、圧力試験の記録書類が求められるケースがあるため、試験結果を適切に記録・保管しておくことが重要です。
水圧試験と気圧試験の違いと選び方

配管の圧力試験には大きく分けて水圧試験と気圧試験の2種類があります。
水圧試験 試験媒体として水を使用します。万一継手や接合部が破損しても水が漏れ出るだけで、事故のリスクが低いのが特長です。給水配管の圧力試験では一般的に水圧試験が採用されます。欠点は試験後の水抜きが必要なこと、冬季の凍結リスク、そして試験箇所の下方に水抜き口が必要なことです。
気圧試験 試験媒体として空気(または不活性ガス)を使用します。水抜きが不要で手早く実施できますが、万一破損した場合は気体が急激に膨張するため、特に高圧での試験は危険を伴います。このため低圧(0.05MPa程度)の漏れ確認試験として使われることが多く、仕上げ前の簡易確認や、水の使用が難しい箇所での試験に用いられます。
実務では、給水・給湯配管の本試験は水圧試験、試験前の簡易漏れ確認に気圧試験を使うという組み合わせが効率的です。
試験圧力と保持時間の基準
試験圧力は配管の種類と使用用途によって異なります。
給水配管 一般住宅の給水配管では、最高使用圧力の1.5倍以上の試験圧力が基本です。給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(給水装置の耐圧性能基準)に基づき、1.75MPaの静水圧を1分間加える耐圧性能の基準があり、指定給水装置工事事業者による工事ではこの基準に準拠します。ただし、使用する管材や継手の最高使用圧力を超えないよう注意が必要です。架橋ポリエチレン管・ポリブデン管の場合、管材の最高使用圧力(通常0.7〜1.0MPa)に合わせた試験圧力とし、1.75MPaの水圧試験には対応した配管仕様が必要です。
給湯配管 給湯配管も給水配管と同様の基準が適用されます。ただし、エコキュートなどヒートポンプ式給湯機の一次側配管は製品仕様に応じた試験圧力を確認してください。
保持時間 試験圧力に達した後、一般的に1分間保持して圧力降下がないことを確認します。仕様書や発注者の要求によっては5分・10分の保持が求められる場合もあります。圧力計の読みが全く動かない(または規定範囲内の微小な変化に収まる)ことを確認して合格とします。
試験圧力・保持時間の早見表
| 配管・試験の種類 | 試験圧力の目安 | 保持時間の目安 |
|---|---|---|
| 給水配管(金属管・省令基準) | 1.75MPa | 1分以上 |
| 給水・給湯配管(一般則) | 最高使用圧力の1.5倍以上 | 1分以上(仕様により5〜10分) |
| 樹脂管(架橋ポリエチレン管・ポリブデン管) | 管材の最高使用圧力以下(通常0.7〜1.0MPa) | 1分以上(仕様による) |
| 気圧試験(簡易漏れ確認) | 0.05MPa程度の低圧 | 仕様による |
※発注者の仕様書・水道事業体の基準に個別規定がある場合はそちらが優先されます。
管材別の圧力試験の注意点
同じ給水配管でも、管材によって試験時の注意点が異なります。現場でよく使う管材ごとのポイントをまとめます。
| 管材 | 試験時の主な注意点 |
|---|---|
| 硬質塩ビ管(VP・HIVP) | 接着接合部の養生時間を確保してから加圧する。養生不足のまま加圧すると接合部が抜けるおそれ |
| 架橋ポリエチレン管・ポリブデン管 | 管材の最高使用圧力(通常0.7〜1.0MPa)を超えない。樹脂の弾性で圧力計がわずかに降下することがあり、漏れとの見極めが必要 |
| 鋼管・ステンレス鋼管 | ねじ接合部・溶接部を重点的に確認。高い試験圧力に対応しやすい |
| 銅管 | ろう付け接合部のピンホールを目視と圧力降下の両面で確認 |
| ダクタイル鋳鉄管(水道本管) | 配水管の布設工事では各水道事業体の基準で試験圧力・保持時間・許容降下量が個別に規定される |
| 下水道用硬質塩ビ管・ポリエチレン管 | 自然流下の下水道管路は高圧の水圧試験ではなく、低圧の空気圧試験(気密試験)や満水試験で確認する |
樹脂管は温度変化でも圧力計の指示値が動くため、直射日光が当たる場所での長時間試験では温度の影響を考慮して判定します。判定に迷う場合は、時間を置いて再測定するか、試験区間を分割して試験し直すのが確実です。
排水配管の試験|満水試験・気密試験
圧力をかけて使う給水・給湯配管と異なり、自然流下の排水配管には高圧の水圧試験ではなく満水試験を行うのが標準です。配管の最下部と各開口部を閉止して配管内を水で満たし、一定時間(30分程度が一般的)保持して水位の低下がないことを確認します。隠蔽前に実施する点は水圧試験と同じで、公共工事や集合住宅の排水改修では試験記録の提出を求められることがあります。
満水試験の実施が難しい箇所では、低圧の気密試験(空気圧試験)で代替することもあります。また試験合格後には、実際に水を流して流れ・詰まり・逆勾配の有無を確認する通水試験を行い、排水設備全体の健全性を確認します。試験を含む配管工事全体の品質検査の項目は配管工事の品質検査ガイドで詳しく解説しています。
試験の実施手順
1. 試験前の準備 試験対象区間を確定し、開放端(水栓器具取付口、ウォーターハンマー防止キャップの取付箇所など)を全てキャップまたはテストプラグで閉止します。止水栓類は全開にして試験圧力が配管全体に行き渡るようにします。
2. 注水(水圧試験の場合) 試験区間の最低点から注水し、配管内の空気を抜きながら水を満たします。高点部にエア抜き弁や仮設エア抜き口を設けると作業が効率的です。エアが残ったまま加圧すると試験値が不安定になります。
3. 加圧 手動または電動の試験ポンプで規定圧力まで徐々に加圧します。急激な加圧は管や継手への衝撃となるため、ゆっくりと昇圧します。
4. 圧力保持と確認 規定圧力に達したらポンプを止め、保持時間中の圧力計の変化を観察します。同時に継手・接合部・バルブ類の外観目視検査を行い、漏水・滲みがないか確認します。
5. 減圧・水抜き 試験合格後、圧力を解放し配管内の水を排水します。冬季は凍結防止のため水抜きを徹底します。
記録書類の作成と保管
圧力試験の結果は必ず書面で記録します。記録する項目は以下の通りです。
- 工事名称・工事場所
- 試験実施日時・天気・気温
- 試験対象配管の種類・管材・管径・延長
- 試験方法(水圧試験/気圧試験)
- 試験圧力(MPa)・保持時間
- 試験結果(合格/不合格)・圧力降下量
- 担当者氏名・捺印
写真記録(圧力計のクローズアップ、試験区間全景)も必ず撮影し添付します。記録書類は竣工書類としてまとめ、発注者に提出するとともに自社でも一定期間保管します。
森工業への圧力試験・配管検査のご相談
森工業では、給水・給湯・排水配管工事の施工と合わせて圧力試験の実施・記録書作成まで一貫して対応しています。「他社で施工した配管の圧力試験だけ依頼したい」「竣工書類を整えたい」といったご相談も承っております。
宮城県内の指定給水装置工事事業者として、水道事業体への完了検査申請もサポートいたします。配管工事の品質に関するご不安・ご疑問は、お気軽にお問い合わせください。お見積りは無料です。
よくある質問
Q. 水道管の水圧試験の試験圧力の基準はいくつですか?
A. 給水装置(水道法の対象となる給水配管)では、「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令」に基づく1.75MPaが基準として広く用いられます。一般則としては最高使用圧力の1.5倍以上です。ただし架橋ポリエチレン管・ポリブデン管など樹脂管は管材の最高使用圧力(通常0.7〜1.0MPa)を超えない範囲とし、1.75MPa試験には対応仕様の配管が必要です。発注者の仕様書に規定があればそちらが優先されます。
Q. 水圧試験の保持時間はどのくらいですか?
A. 一般的には規定圧力に達してから1分間保持し、圧力計の読みが降下しないことを確認します。仕様書や発注者の要求によっては5分・10分の保持が求められる場合もあります。保持中は圧力計の監視と並行して、継手・接合部・バルブ類の外観目視で漏れ・滲みがないかを確認し、結果を試験記録書に残します。
Q. 水圧試験と気密試験(気圧試験)はどう使い分けますか?
A. 給水・給湯配管の本試験は水を使う水圧試験が基本です。水なら万一破損しても漏れるだけで事故リスクが低いためです。気圧試験は空気を使うため水抜き不要で手早い反面、高圧では破裂時に危険なので、低圧(0.05MPa程度)での仕上げ前の簡易漏れ確認や、水が使えない箇所に限定して使います。実務では「気圧で簡易確認→水圧で本試験」の組み合わせが効率的です。
Q. 圧力試験の記録書類には何を書けばいいですか?
A. 工事名称・場所、試験実施日時・天気・気温、対象配管の管材・管径・延長、試験方法(水圧/気圧)、試験圧力と保持時間、結果(合格/不合格)と圧力降下量、担当者氏名を記載します。圧力計のクローズアップと試験区間全景の写真も必ず添付します。指定給水装置工事事業者による工事では、水道事業体への完了検査時にこの記録の提出を求められるケースがあるため、竣工書類として保管してください。
Q. 排水管にも水圧試験は必要ですか?
A. 自然流下の排水配管には高圧の水圧試験ではなく「満水試験」を行うのが標準です。配管の開口部を閉止して管内を満水にし、30分程度保持して水位低下(漏れ)がないことを確認します。満水試験が難しい箇所では低圧の空気圧試験(気密試験)で代替することもあります。合格後は実際に水を流す通水試験で流れや詰まりを確認します。給水・給湯配管の水圧試験と同様、隠蔽前の実施と記録の保管が重要です。
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