
リノベーション時にスプリンクラー増設が必要になるケース
既存建物のリノベーション(大規模改修)や用途変更の際に、スプリンクラー設備の新設・増設が必要となるケースがあります。
用途変更による設置義務の発生
建物の用途を変更した場合、変更後の用途と規模に応じてスプリンクラー設置義務が新たに発生することがあります。主な例:
床面積の増加による設置義務の発生
増築により床面積が設置基準(延べ面積1,000㎡・2,000㎡等)を超える場合、スプリンクラーの設置義務が生じます。
改装区画の警戒不足
既存の建物にスプリンクラーが設置されているが、増築・改装した区域がカバーされていない場合は増設が必要です。リノベーション計画の初期段階で見落とされやすいポイントのため、間取り変更の検討と同時に確認しておくと安心です。
増設設計の基本的な考え方

スプリンクラー増設工事では以下の設計要素を検討します。
既存設備との接続方法
既存のスプリンクラー設備(配管・ポンプ・制御盤)に余裕があれば、分岐接続で増設できます。容量不足の場合はポンプの増設・交換が必要になることもあります。
既存設備の確認事項:
- ポンプの吐出量・圧力に余裕があるか
- 既存配管の材質・口径・年数
- 制御盤の増設対応可否
- 水源(貯水槽・水道直圧)の容量
増設区域のヘッド配置設計
スプリンクラーヘッドの配置は消防法の技術基準に従い、ヘッド間距離・警戒面積・遮蔽物への対応などを設計します。一般的に1ヘッドあたりの警戒面積は9〜12㎡です。
消防署との事前協議の重要性
スプリンクラー増設工事を行う前に、所轄消防署との事前協議が必須です。
事前協議で確認すべき事項
- 増設対象区域での設置義務の有無・基準の確認
- 既存設備との接続方法の妥当性確認
- 設計図面の事前確認(法適合性の確認)
- 工事期間中の既存設備停止に関する協議
事前協議を経ずに工事を行った場合、完了検査で不適合となり是正工事が必要になることがあります。
増設工事の費用目安
スプリンクラー増設費用は増設範囲・既存設備との接続方法・建物の構造によって異なります。
増設配管・ヘッドの費用
- ヘッド1個の材料費:1,500〜5,000円(標準型)
- ヘッドの取付け費(1個あたり):5,000〜15,000円程度
- 配管敷設費(1mあたり):2,000〜8,000円程度
増設規模別の目安
- 小規模増設(50㎡以下・ヘッド5〜10個):50〜150万円程度
- 中規模増設(50〜200㎡・ヘッド10〜30個):150〜400万円程度
- 大規模増設(200㎡以上):400万円以上(規模・既存設備の状態による)
費用が追加になる要因
- 既存ポンプの交換・増設が必要(100〜400万円追加)
- 天井・壁の開口・復旧工事が必要
- 消防署検査費用(届出・検査の手続き費用)
工事期間中の消防設備対応
スプリンクラー工事中は既存の消防設備(配管)の一部を停止する場合があります。
消防署への届出
設備の一時停止には消防署への届出と代替措置の確認が必要です。工事期間中に代替措置として仮設消火設備(消火器の増設・人員配置等)が求められることがあります。
工事のスケジュール調整
建物の業務が継続している場合は、工事時間を業務時間外(夜間・休日)に設定することで影響を最小限にできます。
リノベーション計画への組み込み方
建物リノベーションを計画する際は、スプリンクラー増設を初期段階から計画に組み込むことが重要です。
工程の組み込み
スプリンクラー工事は内装仕上げ前の段階(天井ボードの取付け前・壁塗装前)に実施するのが最も効率的です。内装工事後に増設すると開口・復旧費用が追加で発生します。
設計段階での消防設備設計の依頼
建築設計士とは別に消防設備士(甲種)に消防設備計画を依頼することで、法適合・効率的な設計が可能です。設計の初期段階から配管業者を交えて検討すると、後戻りの少ない計画になります。
森工業株式会社へのご相談
森工業株式会社はスプリンクラー設備の増設・新設工事に対応しています。消防設備士と連携した設計から施工・消防署対応まで一貫してサポートします。「リノベーション計画がある」「用途変更でスプリンクラーが必要かどうか知りたい」という方はお気軽にご相談ください。
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