
直結式ウォーターサーバーとは
オフィスや店舗の待合スペース、クリニックの受付などで、ボトル交換不要の「直結式(水道直結型)ウォーターサーバー」を見かける機会が増えています。従来のボトル型サーバーは重い交換ボトルの在庫管理や配送コストが課題でしたが、直結式は既存の給水管から専用の配管を分岐し、内蔵フィルターで浄水しながらサーバー本体へ供給する仕組みです。ボトルの発注・保管・交換作業が不要になるため、オフィスの総務担当者や飲食店・美容室のオーナーからの相談が増えている設備のひとつです。一方で「うちのテナントに設置できるのか」「工事はどこに頼めばいいのか」がわからないまま導入を見送るケースも少なくありません。本コラムでは配管工事の専門業者の立場から、直結式ウォーターサーバーの設置工事の内容と注意点を解説します。
直結式とボトル型・給茶機の違い

ボトル型サーバーは工事不要で置くだけで使える手軽さがある一方、ボトルのランニングコストと保管スペースが必要です。直結式は初期の配管接続工事が必要になりますが、ボトル代・配送費が発生せず、常に給水管から新しい水が供給されるため水質管理の面でも安定します。オフィスの給茶機(お茶・コーヒー用の給湯設備)も同様に、水道直結タイプであれば同じ配管分岐の考え方で接続できます。どちらも「既存の給水配管から分岐を取り、フィルターを経由してサーバー内へ送水する」という基本構造は共通しており、設置場所の給水管の有無・口径・水圧が導入可否を左右します。
設置に必要な配管工事の内容
直結式ウォーターサーバーの設置では、まず設置予定場所の近くに既存の給水管(給水立管や横引き管)があるかを現地調査で確認します。給水管が近くにある場合は、分岐水栓や電磁弁を使って配管を分岐し、サーバー本体まで専用の給水チューブまたは配管を延長します。給水管が遠い、あるいは同じ系統に他の水栓がなく分岐が難しい場合は、新たに配管を引き回す工事が必要になることもあります。また、機種によっては排水(内部洗浄用のドレン)が必要なタイプもあり、その場合は近くの排水口や排水管への接続経路も検討します。賃貸オフィスやテナントでは、天井裏・床下の配管ルートや原状回復の条件を事前にビルオーナー・管理会社へ確認しておくことが重要です。分岐部分には元栓・止水栓を設けておくと、フィルター交換やメンテナンス時に系統全体を止水せずに作業できます。
設置できる場所・できない場所の判断基準
直結式サーバーの設置可否は、主に「給水管までの距離」「水圧」「設置スペースの床・壁の造作」で判断します。給水管から極端に離れた場所や、給水管自体が老朽化して水圧が不足している建物では、増圧ポンプの併設や配管の引き直しが必要になり、費用が増える傾向があります。テナントビルの場合、専有部内に給水管の分岐点が確保できるかどうかも重要な確認事項です。設置台数が多いオフィスや、複数フロアに同時導入する場合は、フロアごとの給水系統の把握と、既存配管の水圧バランスを崩さない分岐計画が必要になります。導入を検討する段階で「設置できるかどうか」の現地調査を配管業者に依頼しておくと、サーバーの契約後に「工事ができない」という事態を避けられます。
業種別に見る導入シーンと配管上の留意点
クリニックの待合室では、衛生面から配管分岐部の防露・防錆処理を丁寧に行うことが求められます。美容室やサロンでは、シャンプー台への給水系統と分岐が競合しないよう配管ルートを整理する必要があります。飲食店では、厨房の給水管から分岐する場合、油煙や高温にさらされる場所を避けた配管ルート取りが求められます。オフィスの休憩スペースでは、床下配管が難しいビルもあるため、露出配管での対応可否も含めて事前確認が欠かせません。業種によって配管まわりの制約が異なるため、設置場所の用途を踏まえた現地調査が失敗を防ぐポイントになります。
設置費用とメンテナンスの目安
設置費用は、既存の給水管からの分岐距離や排水接続の有無によって幅がありますが、一般的な分岐・配管延長・止水栓設置までの工事で数万円〜十数万円程度が目安です。給水管が遠い場合や壁・床の造作を伴う場合は費用が上乗せになります。設置後は、内蔵フィルターの定期交換(サーバー事業者側の保守契約による場合が多い)に加え、配管の分岐部分や止水栓からの水漏れがないかを年に一度程度点検しておくと安心です。長期間動かしていなかった配管を再稼働させる際や、サーバーの入れ替え・撤去時にも、分岐部分の処理を配管業者に依頼することでトラブルを防げます。
まとめ:導入前の配管調査が失敗を防ぐ
直結式ウォーターサーバーや給茶機は、ボトル管理の手間を省ける便利な設備ですが、設置には給水管の分岐工事という配管工事の専門知識が欠かせません。導入を検討する際は、サーバーメーカーとの契約前に、設置場所まで給水管を延長できるか、排水の取り回しは可能かを配管業者に現地確認してもらうことをおすすめします。オフィスや店舗の水回り設備でお困りの際は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
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