
クリニック・医院開業の配管工事の特徴
医療施設(クリニック・歯科医院・調剤薬局等)の開業には、一般の店舗や住宅とは異なる高い基準の配管設備が求められます。医療法・建築基準法・消防法に加え、医療施設特有の設備基準があります。人工透析を行う施設の給水設備については透析施設の配管工事ガイドでさらに詳しく解説しています。
医療施設に必要な配管設備の種類
- 給水配管(飲料水・診療用水)
- 給湯配管(手洗い・器具洗浄・滅菌)
- 排水配管(感染性廃液の安全な排水)
- 医療用ガス配管(酸素・亜酸化窒素・圧縮空気・吸引)
- 歯科用給水(歯科ユニット専用水)
給水・給湯設備の衛生要件

医療施設の給水は「飲料水基準」を超えた高い衛生水準が求められます。
手洗い設備の基準
医療法施行規則に基づき、診察室・処置室・手術室近くに手洗い設備の設置が義務付けられています。
- 蛇口形式:病院・クリニックでは手を使わずに開閉できる自動水栓・肘操作式・脚踏み式の採用が推奨
- 流し台の材質:ステンレス製。角の少ない形状で清掃しやすい
- 水温:温水(40〜45℃程度)と冷水の両方が出ること
滅菌・消毒用給水
- 滅菌器(オートクレーブ)への給水ラインは専用に引くことが多い
- 純水(RO水)を使用する施設では逆浸透膜フィルターシステムの設置が必要
医療用ガス配管
医療施設で使用される医療用ガスの配管は高い専門性と法令対応が必要です。
主な医療用ガスの種類
- 医療用酸素(O₂):人工呼吸・全身麻酔・酸素療法
- 亜酸化窒素(N₂O・笑気ガス):麻酔・歯科治療
- 圧縮空気(Medical Air):医療機器の駆動
- 吸引(真空吸引):気道・術野の吸引
医療用ガス配管の法規制
医療用ガス設備は高圧ガス保安法・医療法・日本産業規格(JIS T 7101)の規制を受けます。設計・施工には専門的な知識と資格が必要です。
- 酸素・笑気ガス配管:銅管(厚口)が一般的
- 配管は色分け(酸素:緑・笑気:青・圧縮空気:黄・吸引:黒)が義務
- 継手・バルブ類はJIS T 7101に適合したものを使用
設置費用の目安
医療用ガス配管(小規模クリニック・2〜3診療室):
- ガスシステム設計・機器(アウトレット・ヘッダー等):100〜200万円程度
- 配管工事費:50〜100万円程度
- 合計:150〜300万円以上(規模・ガスの種類・診療室数による)
歯科クリニックの給水設備
歯科医院ではユニット(診療台)ごとに専用の給水・排水設備が必要です。
歯科ユニット給水の特徴
- 各歯科ユニットに給水(バキューム用水・スプレー用水)と排水(バキューム排水・スピットン排水)の配管が必要
- 歯科用水(ユニットウォーター)は水質管理が重要。感染予防のためのバクテリア汚染対策
スピットン(痰壺)の排水
- 患者が口をすすいで吐き出す排水には血液・唾液・薬剤が含まれる
- 適切な排水トラップ・消毒液注入システムの設置
歯科クリニックの配管工事費概算(10〜15坪、ユニット3台)
- 給排水配管:40〜70万円程度
- 医療用ガス配管(酸素・笑気):100〜200万円程度
- 吸引配管:20〜40万円程度
- 合計:160〜310万円程度
調剤薬局の配管要件
調剤薬局は医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく開設許可が必要です。
主な配管設備要件
- 調剤室内に手洗い設備(温水対応)
- 薬品管理・薬剤溶解用の給水設備
- 排水は薬品廃液が混入する可能性があるため、適切な排水処理
医療施設開業の配管計画のポイント
設計段階からの配管計画が重要
医療施設の配管は後から変更が難しい部分が多いです。内装工事の着工前に建築士・配管業者と配管ルートを確定することが重要です。開業準備全体の流れを把握したい方は店舗開業時の配管工事チェックリストも参考にしてください。
保健所・消防署との事前協議
医療施設の設備は開業前に保健所・消防署の事前相談が推奨されます。特に医療用ガス(酸素等)の設置は、ガスの種類や貯蔵量に応じて高圧ガス保安法・消防法などの規制対象となる場合があるため、所轄の消防署・都道府県の所管窓口へ事前にご確認ください。
施工業者の選定
医療施設の配管工事は一般の配管工事とは異なる専門知識が必要です。医療施設の施工実績がある業者を選定することが重要です。
森工業株式会社へのご相談
森工業株式会社は医療施設・クリニックの配管工事に対応しています。給排水設備・医療用ガス配管の施工経験を持ち、保健所・消防署対応もサポートします。開業スケジュールに合わせた工程調整も可能です。「クリニック開業を計画している」「設備要件を確認したい」という段階からお気軽にご相談ください。
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