
温泉施設の配管は一般の給湯設備と何が違うのか
宮城県は鳴子温泉郷、秋保温泉、作並温泉など多くの温泉地を有しており、温泉旅館・日帰り入浴施設が数多く存在します。これらの施設の配管工事には、一般住宅や事業所の給湯設備とは大きく異なる専門知識が求められます。
最大の違いは「流体の性状」です。温泉水は塩化物泉・硫黄泉・重曹泉など泉質によって含有成分が大きく異なり、特定の金属に対して強い腐食性を示します。硫黄泉は銅管や真鍮製バルブを急速に腐食させ、塩化物泉(食塩泉)はステンレスでも塩化物応力腐食割れを引き起こすことがあります。一般の水道水には含まれない腐食因子が温泉水には多く含まれているため、配管材料の選定を誤ると短期間で深刻な漏水トラブルが発生します。
もう一つの違いは「高温・連続使用」という条件です。温泉施設は24時間・365日稼働することも多く、配管への熱的・機械的負荷が一般施設より格段に大きくなります。こうした特性を踏まえた材料選定と施工・維持管理計画を立てることが、温泉施設配管の核心です。
源泉配管:取湯から施設への引き込み

温泉利用の第一歩は、源泉(温泉井または引湯)から施設への配管です。
引湯管の材料選定 源泉から施設まで温泉水を引く引湯管には、泉質に合わせた耐食材料を選びます。硫黄泉や強酸性泉にはFRP管(ガラス繊維強化プラスチック管)、中性〜弱アルカリ性の塩化物泉には高密度ポリエチレン管(HDPE管)が多く使われます。一般的な鋼管や銅管は腐食リスクが高く、温泉配管には適しません。
温度保持と保温施工 源泉から施設まで距離がある場合、引湯管内の温泉水が冷えてしまいます。温泉法・旅館業法では温泉を「源泉温度のまま」または「適切な温度に調整して」利用することが求められるため、引湯管には保温材(ポリウレタンフォーム等)を巻き、さらに外装材で保護します。長距離の引湯では電熱線(ヒートトレース)を併用することもあります。
温泉スケール対策 温泉水には炭酸カルシウム・硫酸カルシウム・シリカなどのスケール(結晶析出物)が含まれる場合があります。スケールが配管内面に堆積すると流量低下・閉塞を引き起こすため、スケール付着が多い泉質では定期的な洗浄(酸洗浄・高圧洗浄)計画と、スケール対策型継手の採用が重要です。
浴槽給湯配管と循環ろ過設備
かけ流し式と循環式 温泉の利用方式は大きく「かけ流し式(源泉かけ流し)」と「循環式」に分かれます。かけ流し式は浴槽に常時新鮮な温泉水を供給し、あふれた湯を排水するシンプルな構造で、源泉湧出量が豊富な場合に適します。循環式は浴槽の湯を循環ポンプでくみ上げ、ろ過・加熱・殺菌処理を経て再び浴槽に戻す方式で、少ない源泉量でも大型浴槽を維持できます。
循環配管の素材と施工 循環配管(浴槽〜ろ過器〜加熱器〜浴槽)には、ポリプロピレン管・塩化ビニル管・ステンレス管などが用いられます。泉質によってはステンレスも腐食するため(特に塩化物泉)、チタン管を採用する施設もあります。加熱器(熱交換器)は、温泉水が直接通る一次側と熱媒体(温水・蒸気)が通る二次側を分離した間接加熱型が衛生面で推奨されます。
レジオネラ菌対策 循環式温泉設備では、レジオネラ菌の繁殖が重大なリスクです。厚生労働省の「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策推進要綱」に基づき、塩素系薬剤による消毒、定期的なろ過器の清掃・逆洗、集毛器(ヘアキャッチャー)の清掃、配管の定期洗浄が義務付けられています。配管施工の観点では、デッドエンド(行き止まり)部分をなくした流れやすい配管ルートの設計と、残留塩素測定ポイントの適切な設置が重要です。
腐食トラブルの実例と対策
銅管のピンホール腐食 硫黄泉の施設で銅管を使用し、短期間でピンホール腐食が多発した事例があります。硫化水素が銅と反応して硫化銅を形成し、局所的な腐食が進行します。対策は管材の変更(FRP・HDPE・チタンなど)です。
バルブ・継手の腐食 真鍮製バルブや汎用の鋳鉄製バルブは温泉水での腐食が早く、数年で交換が必要になることがあります。温泉配管ではPVC製バルブ(プラスチックバルブ)またはフランジ式のチタン・ハステロイ製バルブを採用するとメンテナンスコストを削減できます。
コンクリート系統の劣化 硫黄泉や酸性泉は浴槽・床のコンクリートやタイル目地を侵食します。配管貫通部のシールが劣化してコンクリートに温泉水が浸透し、内部腐食が進むケースも見られます。定期的な防水処理と貫通部シールの点検が重要です。
森工業への温泉施設配管工事のご相談
森工業では、宮城県内の温泉旅館・日帰り温泉施設・健康ランドなどの配管工事・設備更新を承っています。老朽化した引湯管の更新、循環配管のリニューアル、浴槽給湯設備の改修、レジオネラ対策のための配管洗浄・改善工事など、温泉施設特有のニーズに対応しています。
泉質・利用形態・施設規模に合わせた適切な材料選定と施工をご提案します。「温泉配管が腐食して頻繁に漏水する」「循環設備を更新したい」「レジオネラ対策の配管改善を相談したい」など、お気軽にご相談ください。お見積りは無料です。
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