
雨水タンクとは
雨水タンク(雨水貯留タンク)とは、屋根に降った雨水を雨樋から専用タンクに集めて貯え、庭の水やり・洗車・トイレ洗浄水などに再利用するシステムです。水道使用量の削減・断水時の生活用水確保・雨水流出量の低減(浸水防止)など複数のメリットがあります。
雨水タンクの設置に補助金を設けている自治体もあり、仙台市は雨水の流出を抑える取組みとして補助しています。豪雨時に下水道や側溝へ一度に流れ込む雨水の量を抑える効果もあるため、都市部の浸水対策の一環として雨水タンクの普及を後押しする自治体もあります。設置は個人の家庭だけでなく、事業所や公共施設の敷地でも進められています。
宮城県内の補助制度

仙台市
仙台市は、雨をゆっくり流すための雨水流出抑制施設(雨水浸透ます・雨水貯留タンク)を設置する人に、予算の範囲内で補助金を交付しています(仙台市「雨を流さない取組みに補助金が出ます」)。雨水貯留タンクだけを設置する場合の要件は次のとおりです(仙台市「雨水貯留タンクのみを設置する場合」)。
- 補助額:1個まで、材料費相当額の2分の1。上限は10,000円です
- 対象のタンク:貯留容量80リットル以上のもの。風呂桶など密閉できない構造のものは対象外です
- 対象の地区:仙台港周辺の一部を除く市街化区域(仙台市下水道事業計画区域(雨水))
- 対象の人:対象区域に建物を持っている人・建築予定の人で、市税の滞納がない人。申請書には法人の名称と代表者を書く欄もあります
- 申請の時期:購入・設置の前に申請が必要です。設置前の状況を確かめるため、事前に申請か問い合わせをします
- 窓口:雨水貯留タンクは建設局業務課業務係、雨水浸透ますは建設局業務課排水設備係
雨水浸透ますを設置する場合や、タンクと浸透ますをセットで設置する場合は、条件ごとに別の補助額が定められています。過去に同じ設置場所でこの補助を使った場合は申請の対象外です(申請書)。受付の開始日や予算は年度ごとに案内されるため、仙台市の頁で確かめてください。
その他の市町村
仙台市以外の市町村に同じような補助があるかどうか、その要件や額は市町村ごとに異なります。計画している工事の所在地の市町村窓口へ問い合わせることをお勧めします。
補助金申請の一般的な流れ
自治体の補助制度を利用する際は、工事着手前の手続きが重要になります。一般的には次のような順序で進みます。
- 事前相談:工事を依頼する前に、担当窓口へ制度の対象条件や必要書類を確認します
- 申請書類の提出:設置予定のタンクの仕様書や工事見積書などを添えて申請します
- 交付決定の通知:交付決定の通知を受け取ってから着工するのが原則です。決定前に着工すると補助の対象外になる制度もあるため、順序を誤らないよう注意が必要です(仙台市の雨水タンクの補助は、購入・設置の前の申請が必要です)
- 工事の実施と完了報告:工事完了後、写真や領収書などを添えて完了報告を行います
- 補助金の交付:完了報告の確認後、補助金が交付されます
申請の要件や必要書類は自治体ごとに異なるため、工事を依頼する業者と早い段階で相談し、スケジュールに余裕を持って進めることが大切です。
雨水タンクの仕組みと設置工事
基本的な仕組み
- 屋根に降った雨水が雨樋(竪樋)を伝って流れる
- 竪樋の途中に「取水器(ダイバーター)」を取り付け、雨水をタンクへ誘導
- タンク内に雨水が貯まり、コック・ポンプで利用
- タンクが満水になると余剰水は自動的に竪樋に戻る(オーバーフロー機能)
配管工事のポイント
- 取水器の取り付けには竪樋への穴あけが必要です
- タンクのオーバーフロー配管は適切な排水先(側溝・浸透ますなど)へ接続します
- 大型地下貯留タンクを設置する場合は掘削・埋設工事が必要で、既存の給排水管・ガス管との干渉確認が重要です
雨水タンクを選ぶ際のポイント
タンクを選ぶ際は、価格だけでなく設置環境との相性も確認しておくと、導入後のトラブルを減らせます。
- 設置スペース:タンク本体の設置には周囲の作業スペースが必要です。搬入経路も含めて事前に確認しておきましょう
- 耐久性:屋外に常設するため、紫外線による劣化に強い素材のタンクが広く使われています
- 転倒対策:満水時は重量が大きくなるため、転倒防止金具での固定や水平な基礎の確保が欠かせません
- 遮光性:タンク内で藻類が繁殖しにくいよう、光を通しにくい素材・色を選ぶと日常の管理が楽になります
- 用途との適合:庭の水やり中心か、トイレ洗浄水などへの再利用も視野に入れるかによって、必要な容量やポンプの有無が変わります
費用と節水効果を左右する条件
費用
設置費用は、タンクの容量と設置の形(地上に置くか、地下に埋設するか)、取水器の取り付けや配管の取り回し、基礎や転倒防止の工事の有無で変わります。地下に埋設する大型のタンクでは、掘削・埋設の工事と、既存の埋設管との干渉の確認も加わります。正確な金額を知るためには、現地調査のうえで工事業者から見積もりを取ることをお勧めします。
節水効果
節水になる量は、屋根の面積と降った雨の量、タンクの容量、雨水を使う量と頻度で決まり、水道料金への効き方は使う水道の料金の体系によっても変わります。庭の水やりや洗車に使う程度か、トイレ洗浄水などに再利用する設備にするかで、必要な容量やポンプ・配管の構成も大きく変わります。
雨水利用の制約と注意点
- 雨水は飲料水・食品調理には使用しないでください(衛生基準を満たさないため)
- 長期間使用しないと苔・藻が発生するため、定期的なタンク清掃が必要です
- 冬季はタンク内の水が凍結するリスクがあります。小型地上型は冬季に水抜きして室内保管するか、断熱カバーで保温します
- 蚊などの害虫が侵入しないよう、タンクの開口部はフタや網などで密閉できる構造のものを選びましょう
- タンクからあふれた水が敷地外や道路に流れ出さないよう、オーバーフロー配管の排水先はあらかじめ確認しておくことが大切です
宮城県・仙台市での雨水タンク設置工事・補助金申請のご相談は、管工事の専門業者にお問い合わせください。
雨水タンクの適切な維持管理
設置後の維持管理を怠るとせっかくのシステムが使い物にならなくなることがあります。年1回程度の定期清掃(タンク内の沈殿物・苔の除去)と、オーバーフロー・取水器の動作確認を行いましょう。ポンプ式のタンクを利用している場合は、ポンプ本体やフィルターの目詰まりも合わせて点検すると、故障の予防につながります。
雨水の水質を良くするには、最初の降雨(初期雨水)は汚れが多いため捨てて、2回目以降の雨水をタンクに引き込む「初期排除機構付き取水器」を採用することをお勧めします。これにより屋根の汚れ・鳥の糞・落ち葉由来の汚染を低減できます。
仙台市の補助の対象区域で設置する場合は、購入・設置の前に申請することを忘れずに、補助を活用して初期費用を抑えながら設置を検討してみてください。設置や配管工事、補助金申請の書類準備などで不明な点があれば、地域の管工事業者に相談すると具体的な手順を案内してもらえます。
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