
排水処理設備における配管計画の重要性
工場や事業所から排出される排水は、適切な処理を施してから公共下水道や河川・地下浸透(各自治体の規制による)に放流しなければなりません。水質汚濁防止法や下水道法に基づく排水基準を守るうえで、排水処理設備は事業所の環境管理に不可欠な設備です。
この排水処理設備を機能させる根幹が配管計画です。配管が不適切であれば、処理すべき排水がバイパスされたり、処理設備を通らずに放流されたりするリスクがあります。また、未処理排水の一部が処理済み排水に混入して水質基準を超過してしまうケースもあります。配管計画の段階から「どの排水をどのルートで処理設備に導くか」を明確にすることが、適切な排水管理の出発点です。
宮城県内の製造業・食品加工業・金属加工業などでは、排水処理施設の設置・更新に伴う配管工事の依頼が多く、森工業も長年の実績を持っています。
排水の種類と系統分離の原則

事業所の排水は性状によって複数の系統に分類され、それぞれ適切な処理方法が異なります。
汚水(有機性排水) トイレや厨房からの排水で、BOD(生物化学的酸素要求量)が高い排水です。浄化槽または公共下水道への接続が必要です。
工程排水(産業廃水) 製造プロセスで発生する排水で、業種によって含有成分が大きく異なります。食品工場では有機物・油脂、金属加工業では重金属・油分、塗装業では有機溶剤・重金属などが含まれます。水質汚濁防止法の特定施設に該当する場合は、法定の排水基準を満たす処理設備が必要です。
雑排水 洗面・手洗い・床清掃などからの排水で、比較的汚染度が低い排水です。汚水と合流させて処理するか、用途によっては中水として再利用する場合もあります。
雨水 屋根・敷地からの雨水です。原則として工程排水と混合させず、独立した系統で側溝・雨水排水系統に放流します。ただし、工場棟屋根や敷地から汚染物質が雨水に混入する可能性がある場合(切削油の飛散、化学物質の屋外保管など)は、初期雨水を汚染排水として処理する「初期雨水処理」が必要になることもあります。
これらを適切に分離した配管系統を設計することが、排水処理の基本です。汚水と雨水を同一配管に流す「合流誤接続」は法令違反につながるため、既存建物の調査・改修工事では特に注意が必要です。
配管材料の選定:排水性状に合わせた耐食材料の選択
排水処理設備の配管は、搬送する流体の化学的性状に応じた材料選定が必要です。
硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP・VU管) 酸やアルカリに対して優れた耐食性を持ち、排水配管に広く使われます。ただし、高温の排水(60℃以上)には適さないため、蒸気配管や高温プロセス排水には使用できません。
ステンレス鋼管(SUS304/SUS316) 耐食性・耐熱性に優れ、食品工場・医薬品工場の衛生排水や高温排水に適します。SUS316はSUS304より塩化物への耐食性が高く、海産物加工や塩水を使う工程の排水に向いています。材料費は高いものの、長寿命で維持管理コストを抑えられます。
FRP管(繊維強化プラスチック管) 酸・アルカリ・有機溶剤に対する耐食性が高く、化学薬品を扱う工場の排水配管に使われます。軽量で施工性が良い反面、衝撃には比較的弱いため、施工時の取り扱いに注意が必要です。
耐酸レンガ・タイル張り地下ピット 大規模工場の排水ピット(ため桝)では、腐食性の高い排水に対してコンクリートの上に耐酸タイルやFRPライニングを施すことがあります。
傾斜・管径・マンホールの設計
排水配管の設計では、適切な自流(重力流)を確保することが基本です。
勾配 排水管の標準的な勾配は管径によって異なります。50A以下は1/50(2%)以上、75A・100Aは1/100以上、125A以上は1/200以上を目安とします。勾配が不足すると固形物が滞留して閉塞の原因となり、逆に急すぎると水だけが先行して固形物が残留する「固形物置き去り現象」が起きます。
マンホール・点検口の設置 長い配管区間や屈曲部には、詰まりの解消や清掃のためにマンホール(人孔)または点検口を設けます。直線部では30〜50m以内ごと、配管の屈曲点・合流点には必ず設置します。定期的なメンテナンスを考慮した位置・サイズのマンホール計画が、長期的な維持管理コストを左右します。
スクリーン・グリーストラップ 食品工場や厨房排水には油脂分離槽(グリーストラップ)を、固形物が多い排水にはスクリーン(ストレーナー)を設けます。これらが詰まると処理設備への負荷が増大するため、清掃頻度を想定した設計と運用計画が重要です。
法令対応と届出のポイント
排水処理設備の新設・変更には、関係法令に基づく届出・許可が必要です。
水質汚濁防止法 特定施設(所定の業種・施設規模)を設置する場合、都道府県知事への届出が必要です(宮城県の場合は宮城県または各市に届出)。変更工事でも届出が必要なケースがあります。
下水道法 公共下水道に接続する場合、排水設備の新設・変更は自治体の確認申請が必要です。また、特定事業場(業種・規模による)は除害施設の設置が求められる場合があります。
建築基準法 建築物の排水設備は建築確認申請の対象となるため、増築・改修時は建築士と連携した対応が必要です。
森工業への排水処理配管工事のご相談
森工業では、工場・事業所の排水処理設備に関わる配管工事(新設・更新・改修)を承っています。系統分離の見直し、老朽配管の更新、グリーストラップ・スクリーンの設置、マンホール設置・補修など、排水管理に関する幅広いニーズに対応しています。
宮城県内の製造業・食品加工業・医療機関・飲食店など、業種を問わずご相談ください。排水の性状や関係法令を踏まえた最適な配管計画をご提案します。お見積りは無料で承っております。
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