
冷媒配管とは
業務用エアコン(ビル用マルチエアコン・パッケージエアコン)の室外機と室内機を接続する配管を「冷媒配管(冷媒管)」といいます。冷媒(フロンガス等)が循環する重要な設備です。
冷媒配管は一般的に銅管が使用されており、建物の壁・天井・屋外など様々な経路に配管されています。空調設備本体(室外機・室内機)の更新時に、冷媒配管も同時に更新するかどうかは費用・リスクを考慮した判断が必要です。オフィスビルでは配管更新の負担区分がテナントとオーナーのどちらになるかも併せて確認しておくとトラブルを防げます。
冷媒配管の耐用年数の考え方

冷媒配管が何年使えるかは、設置環境(屋内隠蔽か屋外露出か、塩害の有無)・施工品質・冷媒の種類によって大きく変わるため、一律の年数で決めることはできません。屋外露出部は直射日光や雨水の影響を受け、海に近い場所では塩害による銅管の腐食にも注意が必要です。空調機器の更新や点検の機会に、次の要因と後述の劣化サインを確かめて判断します。
配管劣化に影響する要因
- 断熱材の劣化(紫外線・経年による被覆剥がれ)
- 冷媒の種類(古いR22冷媒は配管への負荷が異なる)
- 設置時の施工品質(フレア加工精度・支持間隔)
- 配管への振動・応力
なお、減価償却で用いる税務上の法定耐用年数は、配管が物理的に使える年数とは別に定められており、空調設備の区分(6年・13年・15年)はエアコンの法定耐用年数は何年?減価償却・税務・設備更新計画への活用、給排水・電気を含む建物附属設備全体の扱いは建物附属設備の耐用年数と減価償却|給排水設備15年・電気設備の実務で詳しく解説しています。
冷媒配管の更新が必要なサイン
以下のサインが見られる場合は冷媒配管の点検・更新を検討してください。
冷媒漏れのサイン
- エアコンの冷暖房能力が著しく低下した
- 冷媒充填(ガス追加)を繰り返している
- 室内機・室外機周辺に油状の跡がある(冷媒と共に冷凍機油が漏れるため)
- 異臭(冷媒ガスは無臭だが冷凍機油の臭いがする場合も)
目視で確認できる劣化サイン
- 断熱材(保温テープ)の剥がれ・割れ
- 銅管の緑青(緑色の腐食)
- 配管サポートの腐食・欠落
- 屋外露出部の変色・変形
フレア接続部の劣化
室内機・室外機との接続部(フレア接続)の締付け不足・腐食による漏れは特に注意が必要です。点検や機器の更新の機会に、接続部の油のにじみや腐食を確かめます。
空調機器更新時に冷媒配管を再利用する判断基準
業務用エアコンを更新する際に既存の冷媒配管を再利用するか、新規配管に交換するかの判断基準を解説します。
再利用できる条件
- 銅管に腐食・変形が無く、状態が良好
- 断熱材の劣化が軽微
- 新機器の冷媒(R32・R410A等)との互換性がある(銅管の内径・肉厚が適合)
- 漏れ点検で漏れがないことが確認できた
更新(再利用不可)となる条件
- 旧冷媒(R22)専用の配管で新冷媒非対応の場合
- 著しい腐食・変形が見られる
- 隠蔽部分の配管で点検・修理が困難な場合
- 腐食などで銅管の肉厚が薄くなっている
冷媒配管更新の費用を左右する条件
冷媒配管の更新費用は配管の総延長・設置場所・配管径によって大きく異なるため、現地調査をしたうえで見積もりで確かめてください。
室内機・室外機本体の更新費用まで含めた総額はオフィスビルの空調更新費用ガイドで確認できます。
費用が高くなる要因
- 天井・壁の内部に配管があり開口・復旧が必要
- 屋上・高所の配管(足場・高所作業車が必要)
- 既存断熱材のアスベスト含有の場合(専門処理が必要)
フロン規制と冷媒配管の関係
フロン排出抑制法は、平成25年の改正(2015年4月施行)でフロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる対策をとる法律に改められ、令和元年の改正(2020年4月施行)では、機器の廃棄時にフロン類の回収を行わない違反への直接罰の導入など、廃棄時の対策が強化されました(環境省「フロン排出抑制法の背景・目的」)。業務用エアコンの管理者には、冷媒漏れを防ぐための点検と適切な管理が求められています。
漏れ点検の義務化
業務用エアコンは、全ての機器で3ヶ月に1回以上の簡易点検が必要です。圧縮機を駆動する電動機の定格出力が7.5kW以上の機器は定期点検も必要で、7.5kW以上50kW未満は3年に1回以上、50kW以上は1年に1回以上です。業務用の冷凍冷蔵機器は7.5kW以上で1年に1回以上です(第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項(告示))。冷媒漏れが確認された場合は速やかに修理が必要です。
廃棄時はフロン類の引渡しが必要
機器を廃棄する時は、冷媒として入っているフロン類を第一種フロン類充填回収業者に引き渡さなければならず、違反すると50万円以下の罰金の対象になります(フロン排出抑制法 第41条・第104条)。更新工事の際は旧機器の冷媒を回収する「フロン回収」が必須です。
森工業株式会社へのご相談
森工業株式会社は、工場・オフィス・店舗などの業務用エアコンの冷媒配管の点検・更新工事に対応しています。空調機器の更新に合わせた配管更新の計画から施工まで承ります。「冷媒管の状態を点検してほしい」「空調更新のタイミングで配管も更新したい」という事業者様は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
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