
樹脂管とは?住宅配管の主役となった理由
かつて住宅の給水・給湯配管といえば銅管や鋼管が主流でしたが、現在では架橋ポリエチレン管(以下「架橋PE管」)とポリブデン管(以下「PB管」)が広く普及しています。施工のしやすさ、耐久性、そして錆びない・腐食しないという特性が評価された結果です。
架橋PE管は、ポリエチレンの分子を架橋(三次元網目構造)させて耐熱性・耐圧性を高めた管です。給水用(常温)と給湯用(最高使用温度95℃)の両方に対応でき、柔軟性があるため曲げ施工が可能です。PB管も給水・給湯両用で使われ、架橋PE管より若干軟らかく、狭い箇所への取り回しがしやすい特徴があります。
宮城県内の新築住宅やリフォーム現場では、2000年代以降ほぼすべてと言ってよいほどこれらの樹脂管が採用されています。鋼管のように錆による赤水が発生しない点、施工時間の短縮、将来的なメンテナンス性の高さが主な理由です。
架橋PE管とPB管の違いと使い分け

架橋PE管とPB管はよく似た製品ですが、物性と施工特性に違いがあります。
耐熱性と耐圧性 架橋PE管の最高使用温度は給湯用で95℃、最高使用圧力は1.0MPa(常温)が一般的です。PB管は最高使用温度90℃、最高使用圧力は0.7MPa程度のものが多く、架橋PE管の方がやや耐熱・耐圧性に優れています。エコキュートや給湯ボイラーなど高温熱源機器の直近には架橋PE管を選ぶことが多いです。
柔軟性と施工性 PB管は架橋PE管より柔軟性が高く、手で曲げやすいため、狭いスペースや複雑な経路の配管に向いています。架橋PE管は形状保持性が高く、配管後のたるみが少ない特性があります。
継手の互換性 架橋PE管用とPB管用の継手は基本的に別規格です。メーカーによっては両方に対応した継手もありますが、混用は避け、管材と継手を同一メーカー・同一規格でそろえることが現場の原則です。
価格 架橋PE管の方がPB管より若干高価ですが差は小さく、住宅1棟規模の配管量では材料費の差はそれほど大きくありません。
施工前の準備:材料・工具の確認
樹脂管工事を始める前に、以下の点を確認します。
管材の径と使用箇所の確認 給水・給湯本管(メーターから各分岐点まで)には13A(外径φ17mm程度)または16A(外径φ20mm程度)を、各水栓器具への枝管には10A(外径φ13mm程度)を使うのが標準的です。住宅規模・水圧・器具数を踏まえて設計図で確認してから材料を発注します。
継手の種類と数量 樹脂管の継手には主に2種類あります。ワンタッチ式(プッシュイン式)継手は管端を差し込むだけで接続でき、施工が速いのが特長です。フレア式(または食い込み式)継手は管端をフレア加工して接続するタイプで、確実な接続が得られますが専用工具が必要です。現在の住宅新築工事ではワンタッチ式が主流です。エルボ・チーズ・ソケット・バルブソケットの必要数を拾い出し、予備も含めて手配します。
専用工具 管の切断には樹脂管用パイプカッターを使います。金属管用のカッターは管端が変形することがあるため使用できません。フレア式継手を使う場合はフレアツールが必要です。施工後の圧力試験用に加圧ポンプと圧力計も準備します。
施工手順:切断・接続・固定
1. 管の切断 専用パイプカッターで直角に切断します。斜めに切ると継手への挿入が不完全となり、漏水の原因になります。切断後、管端の内外バリをリーマーやバリ取りツールで除去します。バリが残ったまま接続すると内部流量の低下や継手Oリングの損傷につながります。
2. ワンタッチ継手への接続 管端を規定の挿入深さ(継手メーカーの施工説明書に記載)まで真っすぐ差し込みます。差し込み後、引き戻し方向に軽く引いて抜けないことを確認します(プルテスト)。省略する施工者もいますが、後の漏水トラブルの原因となるため必ず実施してください。
3. 管の固定(サポート) 樹脂管は熱膨張・収縮が大きいため、適切な間隔でサポート金具を取り付けます。水平配管では1.0〜1.2m間隔、垂直配管では1.5〜2.0m間隔が目安です。給湯管は高温時の膨張を考慮し、曲がり部分の近くに固定点を設けるとともに、直管部の中間は管が自由に伸縮できる「ルーズ固定」とします。宮城の寒冷地では冬季の凍結収縮も考慮したサポート設計が必要です。
継手選定の実務ポイントと注意事項
樹脂管工事での漏水トラブルの大半は継手まわりで発生します。以下の点に注意してください。
紫外線劣化への対策 架橋PE管・PB管は紫外線に弱く、屋外露出配管では数年で劣化が始まります。屋外に配管する場合は遮光テープを巻くか、さや管(保護管)に通す対策が必要です。宮城県内の工場や店舗での屋外配管工事ではこの点を見落とすと、早期の漏水につながります。
熱源機器直近の施工 エコキュートや給湯ボイラーの缶体直近は高温になります。ヒートポンプユニット出口や追い炊き配管の一次側など、メーカーが指定する区間は耐熱性の高い銅管や専用の高温対応継手を使用し、樹脂管への切り替え点を適切な距離で設けます。
異種管接続 既存の銅管や鋼管と樹脂管をつなぐ場合は専用の変換継手(アダプター)を使用します。異種金属が接触すると電食が起きることがあるため、接続部の材質にも注意が必要です。
森工業への樹脂管工事のご相談
森工業では、店舗・工場・商業施設・プラントまで、架橋ポリエチレン管・ポリブデン管を使った給水・給湯配管工事を幅広く手がけています。新築配管はもちろん、既存の鋼管や銅管からの更新工事、水漏れ箇所の部分交換にも対応しています。
宮城県内の寒冷地特性を踏まえた凍結対策や適切な管材・継手の選定など、現場経験に基づいたご提案をいたします。「どの材料で配管を更新すればよいかわからない」「既存配管と樹脂管をつなぐ工事を依頼したい」など、お気軽にご相談ください。お見積りは無料で承っております。
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