
屋上排水の仕組みと防水工事との関係

陸屋根(水平に近い屋根)や屋上を持つビル・マンション・商業施設では、雨水を速やかに排水するための「屋上排水設備」が不可欠です。屋上の排水は、屋根面の水勾配によって集水し、「ルーフドレン(排水口)」と呼ばれる排水金物から竪樋(たてとい)を経由して地上や下水道に排出される仕組みになっています。屋上防水工事はこの排水経路を雨水の浸透から保護する役割を担い、防水層の端部やルーフドレンまわりが適切に施工されていないと、そこから雨水が侵入して建物内部に雨漏りを引き起こします。実際に「屋上の雨漏り原因の多くはドレンまわりの施工不良」と言われており、防水工事と排水配管工事を一体的に計画・施工することが、雨漏りのない屋上を実現するための基本です。リフォーム時に防水工事だけを行って排水配管のチェックを怠った結果、排水詰まりや勾配不良が原因の滞水が残り、防水層を傷める事例も少なくありません。
ルーフドレンの種類と選定基準
ルーフドレンには用途・屋根構造・排水量に応じていくつかの種類があります。よく使われる種類を紹介します。平ドレン(ストレート型)は最も一般的なタイプで、防水層の上に設置して縦方向に排水します。防水層のシートをドレンに被せてしっかり取り付けることが施工の要点です。コーナードレンは屋上の端部(パラペット下)に設置するタイプで、縦排水と横排水を組み合わせた構造です。オーバーフロードレンは通常の排水ドレンが詰まった際の緊急排水用として設置する補助排水口で、排水口が少ない屋上では万一の溢水に備えて設置されることがあります(設置の要否は所管窓口・設計基準でご確認ください)。ルーフドレンの選定では、屋上の面積と最大降雨強度から排水量を計算し、必要な排水能力を確保できる口径・数量を決定します。東北地方では時間最大降雨強度として50〜80mm/時を想定するのが一般的です。ドレン周囲には落ち葉・土砂・ゴミが堆積して詰まりやすいため、防虫・防砂用のストレーナー(目皿)付きのドレンを選ぶことが重要です。
竪樋・雨水配管の計画と施工のポイント
ルーフドレンから集めた雨水は竪樋(縦方向の雨水排水管)を通じて地上へ排出されます。竪樋の口径は屋上面積・降雨強度に基づく流量計算で決定します。口径が小さすぎると大雨時にドレンから水があふれ、屋上が満水状態になって防水層への水圧が過剰になります。竪樋の素材は鋼管(溶融亜鉛メッキ・ステンレス)、塩ビ管(VP・VU)、アルミ製などが使われます。外壁に沿って設置される場合は外観にも影響するため、建物のデザインに合わせた素材・色を選ぶことも考慮点です。竪樋の接続部分(継手)は振動や熱膨張によって外れやすいため、適切なクランプ(支持金物)で固定することが重要です。特に長い竪樋では熱膨張・収縮の変位を吸収する伸縮継手の設置を検討します。地上部では、竪樋の末端を公共側溝や雨水浸透桝・雨水貯留タンクに接続することが多いです。下水道が分流式(雨水と汚水を別の管で処理する方式)の地域では、雨水排水を汚水管に接続しないよう注意が必要です。
屋上排水のよくあるトラブルと原因
屋上排水で発生しやすいトラブルのうち最も多いのは「ドレンの詰まり」です。落ち葉・土砂・コケ・防水材の破片などがドレンのストレーナーに堆積して排水が妨げられます。詰まりが起きると屋上に雨水が溜まり、防水層への水圧が高まって防水層の剥がれやひび割れが進行します。特に屋上に植栽(屋上緑化)がある建物は落ち葉や土砂による詰まりリスクが高く、定期的な清掃が不可欠です。勾配不足も頻発する問題です。屋上の防水面が水平に近い場合、排水が集水されずに広い範囲で水が滞留(滞水)します。滞水は防水層を長期間水にさらすことになり、劣化を著しく早めます。新築時の設計段階で1/50以上の勾配を確保することが基本ですが、老朽化や構造の変形によって勾配が消えてしまうケースもあります。防水層とドレンの境界部の剥離は、防水工事とドレン設置のタイミングや施工方法が不適切な場合に発生します。防水シートとドレン金物の取り合い処理が不十分だと、そこから雨水が侵入して内部構造を腐食させます。
屋上防水改修と排水配管工事の同時施工のすすめ
屋上防水の改修(防水層の張り替え・塗膜防水の塗り替え)を行う場合は、排水配管の点検・清掃・必要に応じた交換を同時に実施することを強くおすすめします。防水工事だけを行っても、排水ドレンや竪樋が老朽化していれば再び漏水が起きる可能性が高く、せっかくの防水工事が無駄になります。同時施工のメリットとして、足場費用や養生費用を一度の工事でまかなえるコスト削減、防水層とドレンまわりの取り合い処理を一体で施工できる品質向上、建物の長寿命化につながる総合的な改修が挙げられます。竪樋の老朽化(さびや亀裂)がある場合は、塗装や補修だけでなく、塩ビ管やステンレス管への交換を検討します。屋上防水と排水配管は専門分野が異なるため、双方の工事に対応できる業者(または双方の業者が連携する体制)に依頼することが、品質の高い工事を実現するポイントです。
屋上排水・配管工事のご相談は森工業へ
森工業では、屋上排水配管の点検・清掃・改修から竪樋の交換・新設まで対応しています。防水工事業者との連携による複合施工の実績もございます。「屋上の水はけが悪い」「大雨のたびに雨漏りする」「竪樋が壊れて外れそう」といったご相談も承っております。宮城県・仙台市を中心に、ビル・工場・商業施設の排水設備工事を幅広く手がけておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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