
大きな受水槽は、水道法の「簡易専用水道」として清掃や検査が義務になります。では、有効容量10㎥以下の小さな受水槽なら管理の決まりはないのかというと、そうではありません。宮城県と仙台市では、容量に応じて県の条例と市の指導要綱が管理の基準を定めています。事業所や賃貸建物で受水槽を管理する方に向けて、10㎥以下の受水槽の区分とやるべきことを、県と市の案内をもとに整理します。
受水槽の容量で変わる区分(仙台市の場合)
水道法は、水道事業の水だけを水源とする受水槽の有効容量の合計が10立方メートル以下のものを、簡易専用水道から外しています(水道法施行令第2条)。仙台市は、水道水を受ける受水槽の区分を次のように示しています。
| 区分 | 受水槽の有効容量 | 規制 |
|---|---|---|
| 簡易専用水道 | 10立方メートルを超えるもの | 水道法 |
| 簡易専用小水道 | 5立方メートルを超え10立方メートル以下 | 宮城県条例(簡易給水施設等の規制に関する条例) |
| 5立方メートル以下受水槽水道 | 5立方メートル以下 | 仙台市小規模簡易給水施設指導要綱 |
宮城県の案内では、簡易専用小水道から、井戸水などを混ぜて使うものと、建築物衛生法の特定建築物に設けられるものが除かれます。仙台市の指導要綱も特定建築物を対象から外しています。特定建築物の管理はビル管理法の給排水設備点検・清掃義務で解説しています。10㎥を超える簡易専用水道の管理と検査は簡易専用水道とはにまとめています。
簡易専用小水道(5㎥超〜10㎥以下)でやること

宮城県の簡易給水施設等の規制に関する条例は、簡易専用小水道の設置者に次のことを求めています。
- 水槽の清掃を定期的に年1回行う(条例第10条の2)
- 水槽の点検など、有害物や汚水による汚染を防ぐ措置をとる
- 給水栓の水の色・濁り・臭い・味などに異常を認めたら、必要な項目の水質検査を行う
- 健康を害するおそれがあると知ったら、直ちに給水を止め、関係者に知らせる
- 管理について、定期的に年1回、地方公共団体の機関または登録を受けた検査機関の検査を受ける(条例第10条の3)
設ける段階の手続きもあります。工事に着手する日の30日前までに、管轄の保健所(支所)または市役所へ布設届を出し、完成したら完成届を出して完成検査を受けます。飲用に適すると認められて通知を受けるまでは、その水を飲用に使えません。受水槽の数や有効容量、材質、設置場所などを変える場合は変更届、設置者の地位を引き継いだ場合は承継から30日以内に承継届が必要です。
出典: 宮城県 簡易専用小水道
仙台市の5㎥以下受水槽水道は「努力義務」
5立方メートル以下の受水槽は、仙台市小規模簡易給水施設指導要綱の対象です。要綱は法令ではなく、仙台市も、届出や定期検査の受検などは要綱に該当する施設では努力義務だと案内しています。それでも管理の中身は簡易専用小水道と同じ 4 項目が並んでいます。
- 水槽の清掃を定期的に年1回行う
- 水槽の点検など、汚染を防ぐ措置をとる
- 給水栓の水に異常を認めたら、必要な項目の水質検査を行う
- 健康を害するおそれがあると知ったら、直ちに給水を止めて関係者に知らせる
このほか、年1回の登録検査機関などによる検査の受検、完成時の完成届(配置図と水質検査結果書を添付)、水槽の数・容量・材質・設置場所・滅菌装置を変えたときの変更届も、努めるべきこととして定められています。利用者が飲む水であることは変わらないため、清掃と点検は簡易専用小水道と同じ水準で続けるのが安心です。
日常の点検と定期検査で見られるところ
仙台市水道局は、貯水槽水道の日常管理のポイントとして次の点を挙げています。
- 水槽の周辺が清潔に保たれているか
- マンホールに鍵がかかっているか、壊れたりガタついたりしていないか
- 水槽本体に穴や亀裂がないか
- 水槽内に鉄さびや汚泥がないか
- 防虫網が破れていないか
仙台市の管理基準では、オーバーフロー管・通気管・水抜管などの管の状態も点検項目に入っており、点検や清掃の記録は帳簿として備え付けて保存するよう求めています。登録検査機関の定期検査では、施設の外観検査、給水栓の水の臭気・味・色・濁りと残留塩素を見る簡易水質検査、配置図や清掃記録などの書類検査が行われます。点検の進め方は受水槽・貯水槽の点検と管理も参考にしてください。
異常があったときと届出の窓口
仙台市は、水が健康を害するおそれがあると分かったときは、給水を止めて利用者に知らせ、施設のある区の保健福祉センター(保健所支所)衛生課へ連絡して指示に従い、応急給水を確保したうえで原因を調べて改善し、給水再開も衛生課の指導に従うよう示しています。
貯水槽水道の設置・変更・廃止などの届出は、水道局と区役所衛生課のそれぞれに必要だと仙台市水道局は案内しています。仙台市以外の県内の簡易専用小水道は、管轄の保健所(支所)または市役所が届出先です。
出典: 仙台市 飲料水の衛生対策/仙台市水道局 貯水槽水道の管理について/宮城県 簡易専用小水道
受水槽の清掃や定期検査は清掃業者や登録検査機関が行いますが、点検で見つかった配管の傷みの補修や、直結給水への切り替え(受水槽撤去・直結給水切替工事の費用と手順)など、配管工事が必要になる場面もあります。事業所や賃貸建物の共用部の給水配管の改修は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
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