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業務用エアコン(パッケージエアコン)は、冬の暖房をヒートポンプで行います。宮城・東北のように雪が降り気温が下がる地域では、室外機の置き方が暖房の効きと故障の起こりやすさを左右します。室外機は外気から熱を集めて暖房するため、雪で吸込口が埋まったり、霜取り運転で出た水が凍ったりすると、能力の低下や故障につながります。この記事では、空調機メーカーが公開している寒冷地・積雪地向けの据付資料をもとに、室外機の設置場所、架台と防雪フード、霜取り水(ドレン水)の凍結対策、冬の点検を整理します。屋外の配管そのものの雪害対策は雪害・積雪荷重と屋外配管設計で解説しています。
寒冷地・積雪地で起こりやすい不具合
三菱電機が公開しているパッケージエアコンの据付・設置ポイント集(寒冷地・積雪地向け)は、寒冷地・積雪地では低外気温による熱交換器の能力低下や、積雪による機器の故障が大きな課題になるとしています。同資料が挙げる不具合の例は次のとおりです。
- 防雪フードを付けておらず、吸込口が雪で覆われている
- 架台の高さが足りず、室外機の内部を凍結させている
- 排水先に冷媒配管や架台などの障害物があり、ドレン水がうまく流れずベース近くまで氷ができている
- 室外機まわりの排水の逃げ道がなく、架台のまわりが凍結している
- 外調機の系統など連続運転時間が長い系統で、着霜の量が多くなる
いずれも、機種選びだけでなく設置と施工の段階で防げるものが多い不具合です。
設置場所の選び方

同じ資料は、設置場所について次の点を示しています。
- 雪が吹きだまる場所や、屋根からの落雪がある場所は避ける
- つららなどの落下で室外機のファンが破損しない場所に置く
- 吹出口に強い風が当たらないように置く。架台の上に置いた室外機は強風で転倒するおそれがあるため、転倒防止の措置をとる
- 霜取りの水が流れるため、人が通る場所や凍結が起こると問題のある場所は避ける
宮城県内でも、沿岸部と内陸・山沿いでは雪の量が大きく違います。設置場所に近い観測地点の積雪の記録を気象庁 過去の気象データ検索で確かめ、架台の高さや防雪の必要性を考える材料にします。
架台と防雪フード
寒冷地向けの室外ユニットの据付工事説明書は、積雪が予想される地域では据付位置を高くしたり、吸込口にフードを取り付けたりする対策を求めています。ポイント集では、より具体的に次のように示されています。
- 降雪や積雪、落雪で埋まらないよう、室外機を予想される積雪量に50センチメートルを加えた高さの架台に載せる
- 室外機に雪が積もるおそれがある場合は、防雪フードや防雪ダクトの取付けを検討する(雪が積もるとファンが凍結して動かなくなることがある)
- 冷媒配管を室外機の下から取り出す場合は、開口部を閉鎖材でふさぎ、雪の吸込みを防ぐ
- 防雪フードは季節風や台風の影響を受けにくい向きに取り付け、取付ビスを定期的に増し締めする
防雪フードの形や付けられる向きは機種ごとに決まっているため、室外機本体と防雪フードの据付説明書の両方を確かめて選びます。
出典: 三菱電機 寒冷地向けインバーターシリーズ 室外ユニット据付工事説明書/三菱電機 据付・設置ポイント集(寒冷地・積雪地向け)
霜取り水(ドレン水)の凍結対策
暖房運転中の室外機は熱交換器に霜が付くため、定期的に霜取り運転を行い、そのとき大量のドレン水が出ます。この水が室外機の下や架台で凍ると、氷が成長してベースや熱交換器を傷めます。ポイント集は次の対策を挙げています。
- ヒーター機能のない集中排水ドレンパンやドレンソケットは使わない(ドレン配管が凍結するおそれがある)
- ドレン水で配管が凍結しないよう、室外機の下に冷媒配管を通さない
- 架台は室外機の底面から水が抜けるアングル構造にする(サイドフロータイプは側面から排水できるようにする)
- 架台の下に融雪マットなどを置くことを検討する
- 室外機のベース部分の凍結による熱交換器の配管の凍結破損を防ぐため、ベースヒーター(凍結防止ヒーター)の取付けを検討する
- 室外機を二段に重ねて置かない(上段のドレン水で下段が凍結するおそれがある)
別売の集中排水ドレンパンの据付工事説明書でも、寒冷地では使用しないよう明記されています。屋外の給排水管を含めた凍結対策は配管の凍結防止対策もあわせてご覧ください。
冬の運用と点検
設置後も、冬の間は次の点を確かめます。
- 雪の多い日は、吸込口が雪で埋まっていないか確認する
- 降雪のあとは、熱交換器が埋まらないよう室外機のまわりを除雪する
- 底板につららができた場合は、定期的に取り除く
- 積雪が予想した積雪量に50センチメートルを加えた高さを上回るときは、そのつど除雪する
ここで紹介した数値や対策は1社の資料の例で、必要な架台の高さや付属品は機種ごとに異なります。採用する機種のメーカー資料に従って計画してください。
森工業は、工場・店舗・事務所など法人・事業者様の業務用エアコンの設置や空調配管を含む空気調和設備工事を承っています。対応内容は空気調和設備工事のページをご覧のうえ、お問い合わせフォームよりご相談ください。
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