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SP管とは
SP管(スパイラル鋼管)は、帯鋼(フープ材)をらせん状に巻いて溶接接合した鋼管です。「スパイラル鋼管」「スパイラルパイプ」とも呼ばれます。
一般的な直管(継目無し管・電縫管)と異なり、らせん状の溶接シームが管に沿って走るのが特徴です。この構造上の特徴から、独特の用途・特性を持ちます。
帯鋼をコイル状の材料から連続的に成形しながら溶接する製法のため、大口径の鋼管を効率よく製造できる点が特徴です。管の呼び径や肉厚は、使用する帯鋼の幅や巻き付け角度、板厚の組み合わせによって決まります。継目無し管では製造が難しくなるような大口径であっても、SP管であれば規格化された製品として選定しやすいというメリットがあります。
SP管の主な規格

JIS G 3457(配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)
配管用のスパイラル鋼管(SP管)の主要規格です。外径50.8mm〜600mmまでの比較的大径の鋼管をカバーしています。
- 最高使用圧力の基準あり(肉厚・径の組み合わせによる)
- 外面・内面の防錆処理(塗装・ライニング)の指定可
JIS G 3443(水輸送用塗覆装鋼管)
上水道・工業用水の輸送に使用される大径スパイラル鋼管の規格です。内外面に塗覆装(エポキシ・コールタールエナメル等)処理が施されています。
JWWA(日本水道協会規格)
水道施設で使用する場合は日本水道協会規格への適合が必要です。
規格を選定する際は、口径・使用圧力・使用温度・輸送する流体の性質(上水か工業用水か等)に応じて、該当する規格と管種を確認することが基本になります。同じ口径であっても、規格によって求められる肉厚や塗覆装の仕様が異なるため、設計図書や仕様書との照合が欠かせません。
SP管の主な用途
産業配管・プラント
- 工業用水・冷却水の大径配管
- 空調設備の大径ダクト代替
- 排気・換気配管
土木・構造物
- 矢板(鋼管矢板・組み合わせ鋼管矢板)
- 鋼管杭(地盤の支持)
- 護岸工事・土留め工事
水道・下水道インフラ
- 導水管・送水管(大径)
- 下水圧力管
- 農業用水管
通風・煙突関係
- 工場の排気・換気ダクト(大径・低圧)
- 煙突の内管・外管
このように、SP管は小口径の一般配管というよりも、大口径・大流量を扱う産業インフラや土木構造物で選ばれることが多い管材です。用途ごとに求められる耐圧性能や耐食性が異なるため、実際の使用条件に合わせた仕様選定が必要になります。
SGP管(一般配管用鋼管)との違い
SP管と一般的な配管用SGP管の主な違いを説明します。
| 項目 | SP管 | SGP管 |
|---|---|---|
| 製造方法 | らせん溶接 | 電縫溶接・継目無し |
| 一般的なサイズ | 大径(200mm以上が多い) | 小〜中径(6〜500mm) |
| 主な用途 | 水輸送・土木・産業配管 | 一般建築・プラント・空調 |
| コスト | 同径なら比較的安価 | 小径は豊富な流通在庫 |
| 溶接シーム | らせん状 | 直線状(電縫管)・なし(継目無し) |
どちらの管種が適しているかは、口径だけでなく使用圧力・設置環境・調達のしやすさによっても変わります。小口径の一般配管や在庫からの短納期調達を重視する場合はSGP管、大口径の水輸送・土木用途で経済性を重視する場合はSP管が候補になりやすい、という傾向で理解しておくとよいでしょう。
SP管のメリットとデメリット
メリット
- コイル状の帯鋼から連続的に成形できるため、大口径管を比較的経済的に製造できる
- 規格化された大径管として流通しており、仕様に応じた選定がしやすい
- 土木用途(矢板・鋼管杭等)では長年の使用実績がある
デメリット
- らせん状の溶接シームがあるため、溶接品質の管理や検査がより重要になる
- 小口径・薄肉の配管には一般的に向いておらず、継目無し管や電縫管が使われることが多い
- 高圧用途では、規格上定められた最高使用圧力の範囲内かどうかの確認が必要になる場合がある
SP管の施工上の注意点
溶接施工
SP管の接合(現場溶接)を行う場合は、スパイラル溶接部(シーム)の存在を考慮した施工が必要です。溶接前に継手合わせ・開先加工を適切に行います。
大径管の現場溶接はJIS溶接技能者認定(大径管・外径等に対応した資格)が必要です。溶接後は外観確認に加え、放射線透過試験や超音波探傷検査などの非破壊検査によって溶接部内部の欠陥有無を確認する場合があります。
輸送・保管
SP管は大径・長尺のため輸送・保管に注意が必要です。管端の変形・内面の汚染を防ぐために適切な養生をします。現場搬入時は据付位置までの搬入経路やクレーン等の揚重計画を事前に確認しておくと、施工当日の手戻りを防ぎやすくなります。
防錆・塗装
内外面の防錆処理(工場塗装)の種類(エポキシ・ライニング等)を確認し、溶接・加工部分の補修塗装を確実に行います。
圧力・温度条件の確認
SP管の使用圧力・温度条件は規格・肉厚によって制限があります。設計段階での圧力計算と適切な規格選択が重要です。
SP管の更新・点検
既設SP管の劣化点検では以下の方法が有効です。
外面腐食の確認
塗覆装・防錆塗装の剥がれ・発錆を目視点検します。埋設管の場合は掘り出しまたは電気防食の電位測定による評価が必要です。
肉厚測定(超音波探傷)
超音波肉厚計による定点測定で腐食による肉厚減少を把握します。特に継手部・溶接部の近傍は腐食が集中しやすいです。
漏水点検
加圧試験(水圧試験)または漏水音検知法による漏水確認を定期的に実施します。老朽化した大径管ほど点検周期を短くすることでトラブルの早期発見につながります。
点検結果は都度記録として残し、経年変化を比較できるようにしておくことが、更新時期を判断するうえでの重要な材料になります。
SP管に関するよくある質問
Q. SP管は上水道の配管に使えますか。
上水道用途で使用する場合は、JWWA(日本水道協会規格)など水道施設に求められる規格への適合が必要です。使用可否については、対象となる水道事業者や設計基準に沿って個別に確認してください。
Q. SP管とSGP管、どちらを選べばよいですか。
口径・使用圧力・用途によって適した管種は異なります。目安としては、小口径の一般配管にはSGP管、大口径の水輸送・土木用途にはSP管が選ばれる傾向にあります。上記の比較表もあわせてご参照ください。
Q. SP管の耐用年数はどれくらいですか。
埋設環境(土壌の腐食性など)や使用する流体、維持管理の状態によって劣化の進み方は大きく異なるため、一律の年数でお答えすることはできません。定期的な点検によって実際の劣化状況を確認し、更新時期を判断することが重要です。
森工業株式会社へのご相談
森工業株式会社は大径配管(SP管含む)の施工・更新・点検に対応しています。プラント・産業施設の大径配管工事から水輸送管の更新まで一貫して対応します。SP管に関するご相談はお気軽にどうぞ。
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