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電気トレーシング(電気伴熱)とは?
電気トレーシング(Electric Heat Tracing / 電気伴熱)とは、配管や機器の外側に電熱ケーブル(ヒーターケーブル)を沿わせ、電気の抵抗熱で配管を加熱・保温する工法です。スチームトレーシング(蒸気伴熱)と並んで産業・住宅・商業施設の配管凍結防止・保温対策に広く採用されています。
電気トレーシングは蒸気設備が不要なため、蒸気配管のない施設や住宅でも導入できます。近年では自己温度制御型(自己制御型)ケーブルの普及により、過熱リスクが低く省エネ性能が高いシステムが増えています。
電気トレーシングが必要な場面

電気トレーシングが有効な代表的な用途は以下のとおりです。
配管凍結防止 東北・北海道など寒冷地では、冬季に給水管・排水管・プロセス配管が凍結し、業務停止や配管破損につながります。配管外周にヒーターケーブルを施工することで、凍結を確実に防止できます。
高粘度流体の温度維持 重油・アスファルト・グリース・チョコレート・接着剤など、温度が下がると粘度が上がって流動性を失う流体は、配管を常に適温に保つ必要があります。電気トレーシングはこのような工程で温度を安定的に維持します。
凍結しやすい露出配管の保護 建物外壁に露出した給水管・屋外タンク周辺配管・地上配管などは、気温低下の影響を受けやすい箇所です。局所的な電気トレーシング施工でリスクを低減できます。
食品・医薬品工場での温度管理 製造ラインで規定温度を維持する必要がある配管(例:チョコレートラインの保温・ワインの温度管理)では、精密な温度制御が求められます。
電気トレーシングの主な種類
電気トレーシングには大きく分けて「定出力型」と「自己温度制御型」の2種類があります。
定出力型(固定抵抗型)
1mあたりの発熱量が一定のヒーターケーブルです。シンプルな構造で安価ですが、外気温や配管温度に関わらず常に同じ熱量を出力するため、温度が上昇しすぎる「過熱」のリスクがあります。温度コントローラーとサーモスタットを組み合わせて使うことが一般的です。
適した用途
- 凍結防止(低温維持で十分な箇所)
- 住宅・小規模施設の給水管保護
- ケーブルが重なる(クロスする)箇所では過熱による損傷リスクがある
- 出力が固定のため省エネ性は低い
自己温度制御型(セルフレギュレーティング型)
ケーブル内部の半導体コアが外気温や配管温度に応じて自動的に発熱量を変える仕組みです。温度が低いときは多く発熱し、温度が上がると発熱量が自然に低下します。このため過熱が起きにくく、省エネ性が高い点が最大の特徴です。
適した用途
- プロセス配管の保温・凍結防止(広範囲)
- 工場・プラントの複雑な配管系統
- 食品・医薬品ライン
利点
- ケーブルのクロスや重ね巻きでも過熱しない
- 外気温の変動に自動対応するため省エネ
- サーモスタットが不要なケースもある(ただし温度監視は推奨)
並列抵抗型(MI(無機絶縁)ケーブル)
金属シース(通常銅またはステンレス)に無機絶縁材(酸化マグネシウム)を充填した高温対応ケーブルです。200〜400℃以上の高温プロセス配管への適用が可能で、一般的な電気トレーシングでは対応できない高温用途に使われます。
適した用途
- 蒸気配管・熱媒体配管の伴熱
- 化学プラントの高温プロセス配管
施工の基本手順
電気トレーシングの施工は以下の手順で行います。
1. 現地調査・設計
施工対象の配管の長さ・材質・保温材の有無・外気温条件・要求維持温度を確認し、必要なヒーター出力(W/m)とケーブルの種類を選定します。宮城・東北の場合、冬季の最低外気温を考慮した設計が必要です。
2. ヒーターケーブルの取り付け
配管の外周にヒーターケーブルを螺旋状または直線状に巻き付けます。定出力型はケーブルのクロスを避け、自己温度制御型は螺旋巻き・クロス配置も許容されます。ケーブルはアルミ粘着テープや結束バンドで配管に密着固定します。
3. 保温材の施工
ヒーターケーブルを取り付けた配管の外側に保温材(グラスウール・ロックウール・発泡ポリウレタン等)を施工します。保温材は熱を配管に集中させる重要な役割を担い、保温性能が低いと必要以上の電力消費につながります。
4. ジャンクションボックス・電源接続
ヒーターケーブルの端末をジャンクションボックス(接続箱)に収め、電源ラインと接続します。電源工事は電気工事士の資格が必要です。
5. 絶縁抵抗試験と動作確認
施工完了後、ヒーターケーブルの絶縁抵抗測定を行い異常がないことを確認します。電源投入後に正常に発熱することを確認して施工完了です。
省エネ制御のポイント
電気トレーシングは24時間通電すると電力消費が増大します。省エネのための制御方法として以下が有効です。
サーモスタット制御 配管温度または外気温センサーと連動させ、一定温度を下回ったときのみヒーターを稼働させます。定出力型の場合は必須に近い制御です。
気温連動制御(アンビエントセンシング) 外気温が設定値(例:5℃)を下回ったときのみヒーターを起動します。簡便でありながら効果的な省エネ手法です。
降雪センサー連動 ロードヒーティング等では降雪センサーと組み合わせて、降雪時のみ稼働させる方法も採用されます。
メンテナンスと注意事項
電気トレーシングは適切にメンテナンスしないと性能低下・故障・火災リスクにつながります。
定期点検の項目
- ヒーターケーブルの絶縁抵抗測定(年1回以上推奨)
- 接続箱内の端末状態と腐食確認
- 保温材の劣化・脱落・吸水確認
- 温度コントローラー・サーモスタットの動作確認
よくある不具合とその原因
- ケーブルの断線・劣化:施工時のキンクや鋭利物との接触、経年劣化
- 端末部の絶縁不良:水の侵入や腐食による接続部の劣化
- 過熱:定出力型でのケーブルクロス、保温材の欠落による局所加熱
スチームトレーシングとの比較
| 比較項目 | 電気トレーシング | スチームトレーシング |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低〜中(蒸気設備不要) | 中〜高(蒸気配管必要) |
| ランニングコスト | 電気代(制御次第で削減可) | 蒸気コスト(熱源次第) |
| 温度精度 | 高い(電子制御可) | やや低い(スチームトラップ必要) |
| メンテナンス | 比較的容易 | スチームトラップ点検が必要 |
| 適用温度 | 〜200℃(MIケーブルは400℃超) | 100〜200℃程度 |
| 蒸気設備の有無 | 不要 | 必要 |
蒸気設備がある工場・プラントではスチームトレーシングがコスト面で有利なケースが多く、蒸気設備がない施設・住宅・小規模設備には電気トレーシングが適しています。
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森工業では、宮城県・仙台市を中心に工場・プラント・住宅・商業施設の配管凍結防止・保温対策として電気トレーシングの設計・施工・メンテナンスに対応しています。「今ある配管に後付けで凍結防止をしたい」「高粘度流体の配管に保温が必要」「既設トレーシングが故障した」など、お気軽にご相談ください。現地調査・お見積もりは無料で承ります。
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