
道路で「水道管の更新工事」の看板を見かけたり、断水作業のお知らせが届いたりして、配水管と給水管の違いを調べる設備担当の方は少なくありません。どちらも水道管ですが、だれの施設で、だれが工事をするのかがはっきり分かれています。この記事では、事業所・工場・テナントビルの設備を管理する方に向けて、配水管と給水管の区分、配水管の布設替え(更新)工事の流れ、断水や濁り水のときに建物側でできる備えを、水道法と仙台市水道局の案内をもとに整理します。
配水管と給水管の違い——水道法での区分
水道法は、水道事業者が管理する取水・貯水・導水・浄水・送水・配水の各施設を「水道施設」とし、配水施設には配水池やポンプ、配水管が含まれると定めています(第3条第8項、第5条)。一方で「給水装置」は、需要者に水を供給するために、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管と、これに直結する給水用具をいいます(第3条第9項)。
| 項目 | 配水管 | 給水管(給水装置) |
|---|---|---|
| 位置 | 主に道路の下を通る本管 | 配水管から分岐して敷地・建物へ引き込む管 |
| だれの施設か | 水道事業者の水道施設 | 需要者(建物の所有者など)の設備 |
| 工事を行う者 | 水道事業者(発注した工事を施工業者が施工) | 水道事業者または指定給水装置工事事業者 |
仙台市水道局は、水道の本管からの引き込み部分以降はすべてお客様の財産であると案内しています。給水装置工事の費用の負担区分は、各水道事業者の供給規程(給水条例)で定められています。
配水管の布設替え(更新)工事の流れ

仙台市水道局は、道路上の水道工事を「水道局が行う水道施設の工事」と「お客様が行う給水工事」の 2 つに分け、水道局が計画的に行う工事の多くは、古くなった水道管を新しい管に取り替える更新工事だとしています。更新工事では、腐食や割れに強く、地震でも抜けにくい耐震管が使われます。工事はおおむね次の順で進みます。
- 路線上の何か所かを掘って地下の状況を調べ、新しい管の埋設位置を決める
- 新しい水道管を 1 日に約20〜30メートルずつ埋設し、作業の終わりに埋め戻して仮舗装する
- 新しい管に仮に水を流し、各建物の給水管を 1 軒ずつつなぎ替える
- 古い管を切り離して新しい管へ水の流れを切り替える(数時間の断水や濁り水が出る場合がある)
- 役割を終えた古い管を掘り出して撤去する
- 掘った道路をきれいに舗装して完了する
同じ道路を何度も掘るのは、断水の影響を小さくするためにこの順番で工事を分けているからです。断水や濁り水が見込まれる作業は、事前にチラシなどで知らされます。
断水・濁り水のときに建物側でできる備え
仙台市水道局の案内では、断水作業中は空気や濁った水(白濁水や赤水)が出ることがあるため、作業中はなるべく蛇口を開けないよう求めています。作業が終わって使い始めるときは、浄水器や温水器を通らない蛇口から水を流し、濁った水が出たら1〜2分程度流してきれいになったことを確かめてから使うよう案内しています。給湯・貯湯タンクは、濁った水や空気が入らないよう流入弁を閉めることを勧めています。事業所では、これに加えて次のような段取りをしておくと安心です。
- 断水の時間帯に止められない用途(厨房、製造工程の洗浄、空調の補給水など)を洗い出し、作業の日時に合わせて運転を調整する
- 浄水器・ろ過装置・給湯タンクなど、濁り水を通したくない機器の止水弁の場所を確かめておく
- 受水槽のある建物は、断水作業の前後の操作を管理会社や設備担当者と事前に打ち合わせておく
- 再開後は透明な容器に水を取り、濁りや色がなくなったことを目で確かめる
濁り水や赤水が工事と関係なく続く場合の原因は、水道から赤水・濁水が出るときの原因と対処法で解説しています。
給水管のつなぎ替えと水道メーターの位置
配水管の更新では、新しい管と建物の給水管をつなぐために、敷地の中を掘る場合があります。仙台市水道局は、検針や漏水の早期発見のため、現在の基準では水道メーターの位置を道路境界から1.5メートル付近を標準としており、敷地の奥にあるメーターはつなぎ替えの際に道路境界の近くへ移すと案内しています。この移設は水道局が発注する工事の一部として施工業者が行い、費用の負担はないとされています。工事の範囲や時期は施工業者から事前に説明があるため、事業所では立ち会いの担当者と、敷地内の埋設物の図面を用意しておくと話が早く進みます。
一方、敷地の中の古い給水管そのものの更新は需要者側の給水装置工事です。仙台市水道局は、赤さびが出る・水の出が悪いといった場合に、仙台市指定給水装置工事事業者による管の布設替えを勧めています。
事業所の給水管・引込管の工事を考えるとき
配水管の更新は水道事業者の工事で、建物側から依頼するものではありません。これに対して、敷地内の給水管の更新、建て替えや増築にともなう引込管の新設・口径変更は、建物の所有者が指定給水装置工事事業者に依頼して行います。引込管の口径選定や道路占用の手続きは、集合住宅の水道引込管・本管接続工事でくわしく解説しています。
森工業の施工実績には、亘理町の新規造成地で水道事業者と協議し、上水道本管と各区画への引込管を新設した工事があります(住宅地 上水道新設工事)。工場・事業所・賃貸物件の共用部などの給水管の更新や引込管の工事は、お問い合わせフォームよりご相談ください。工事の進め方や断水の連絡方法は水道事業者ごとに異なるため、施工地の水道事業者の案内もあわせて確かめてください。
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