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建物の給水配管で使われる硬質塩化ビニルライニング鋼管やポリエチレン粉体ライニング鋼管は、鋼管の内面を樹脂で覆い、水に鉄が触れないようにした管です。ただし、管を切ってねじを切った端部(管端)では鋼の地肌が出ます。この管端を水から守るために使うのが管端防食継手で、継手の内側に樹脂のコアを持つことから「コア継手」「コア内蔵継手」とも呼ばれます。この記事では、管端防食継手の仕組みと規格、公共建築工事の標準仕様書が求める使い方、施工で守る点を整理します。
ライニング鋼管の管端が腐食しやすい理由
ライニング鋼管は、管の内面だけを見れば鉄が水に触れない構造です。しかし現場で切断し、ねじを切ってつなぐと、切り口の断面とねじ山の部分は鋼がむき出しになります。ここを一般の鋼管用のねじ込み継手でつなぐと、継手の中で管端の鋼が水に触れ続け、そこから錆が進みます。
管端の錆は継手の内側で進むため外からは見えにくく、錆こぶで管の内径が狭まったり、赤い水が出たりして初めて気づくことが少なくありません。給水管の赤水の原因と調べ方は水道から赤水・濁水が出るときの原因と対処法で解説しています。
管端防食継手の仕組みと規格

管端防食継手は、継手の内面を樹脂で覆ったうえで、管をねじ込んだときに管端が収まる位置に樹脂のコアを設けた継手です。ねじ込みを終えると管端がコアに覆われ、切り口の鋼が水に触れなくなります。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)は、ライニング鋼管用の継手として次の規格を挙げています。
| 規格番号 | 名称 |
|---|---|
| JPF MP 003 | 水道用ライニング鋼管用ねじ込み式管端防食管継手 |
| JPF NP 001 | 管端防食管継手用パイプニップル |
| JPF MP 008 | 水道用ライニング鋼管用ねじ込み式管端防食管フランジ |
| JWWA K 150 | 水道用ライニング鋼管用管端防食形継手 |
| JPF MP 005 | 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管用ねじ込み式管端防食管継手 |
給湯に使う耐熱性ライニング鋼管には、耐熱用の管端防食管継手を組み合わせます。同じ仕様書は、ライニング鋼管に取り付けるねじ込み式の弁を JV 5「管端防食ねじ込み形弁」とすることも定めています。継手だけでなく、弁やパイプニップルまで管端防食の部材でそろえることが前提です。
標準仕様書と水道局の基準での使い方
公共建築工事標準仕様書は、給水・給湯・消火管と冷温水・冷却水管について、塩ビライニング鋼管・耐熱性ライニング鋼管・ポリ粉体鋼管をねじ接合する場合の継手を管端防食管継手とし、パイプニップルを管端防食管継手用パイプニップル(給水・給湯・消火管では給湯管を除く)とするよう定めています。給水栓や銅合金製の配管附属品とつなぐ箇所で絶縁が要る場合は、器具接続用の管端防食管継手を使います。
水道局の基準でも同じ考え方がとられています。仙台市水道局の給水装置工事施行要領は、給水装置用の継手として水道用ライニング鋼管用管端防食形継手(JWWA K 150、口径13〜50mm)を指定しています。受水槽内に逆止弁を設けてボールタップへつなぐ部分についても、逆止弁の下流側に管端防食継手のニップルやソケットを使うよう示しています。
施工で守ること
管端防食継手は、管端がコアに正しく収まって初めて効果を発揮します。標準仕様書は、ライニング鋼管の接合について次の点を定めています。
- 切断は帯のこ盤やねじ切機搭載形自動丸のこ機などで行い、パイプカッターによる切断はしない
- 切断後は内面の面取りを適正に行う(切削ねじはスクレーパー等、転造ねじはねじ加工機に組み込まれた専用リーマを使う)
- ねじゲージで管用テーパねじが適正に切られていることを確かめ、継手製造者が定める余ねじ山数または余ねじ長さまでねじ込む
- ねじ接合材は防食用ペーストシール剤とし、切削油や水分を除いてからおねじ部にだけ適量を塗る
- 締めすぎによる管端コアの破損に注意する
- 管端防食管継手は再使用しない
継手メーカーのよくある質問でも、コア継手の再施工は赤水が発生するおそれがあるため控えるよう案内されています。また仙台市の施行要領は、ねじ切りの切削油やシール材が管内に押し込まれると、水道水に油臭や薬品臭が出る場合があると注意しています。
出典: 国土交通省 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)/シーケー金属 よくある質問(配管機器)/仙台市水道局 給水装置工事施行要領
改修工事で確かめたい点
ステンレス鋼管や銅合金の器具とつなぐ箇所は、異種金属の接触による腐食にも注意が要ります。継手メーカーは、コア継手をステンレス管と接続するときは異種金属接触防止形の継手を使うよう案内しています。継手全般の種類と選び方は配管継手の種類と選び方で解説しています。
既存の給水管を部分的に更新するときは、取り外した継手の内側を見て、管端に錆こぶがないか、一般の継手が混ざっていないかを確かめておくと、残す区間の状態を判断する手がかりになります。
森工業は、工場・商業ビル・公共施設など法人・事業者様の給排水管の新設と更新工事を承っており、給水装置工事主任技術者と配管技能士が在籍しています。ライニング鋼管の給水配管の改修や更新のご相談は、お問い合わせフォームよりお寄せください。
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