
プラント配管材料選択の重要性
プラント(石油化学・食品・医薬品・水処理等)の配管材料選択は、安全性・品質・コストに直接影響する重要な設計判断です。不適切な材料選択は、以下のようなリスクをもたらします。
- 腐食による配管破損・プロセス流体の漏洩
- 製品汚染(食品・医薬品プラントの場合)
- 重大事故(有毒・可燃性流体の漏洩による火災・爆発)
- 早期劣化による高頻度の修繕・更新コスト
材料選択は、流体の種類・温度・圧力・腐食性・コスト・法規制を総合的に考慮して行います。
炭素鋼配管(SGP・STPG・STPT等)

最も一般的で経済的なプラント配管材料です。
主な鋼種と用途
- SGP(配管用炭素鋼鋼管):圧力0.1MPa以下の低圧ライン。水・蒸気・空気・ガス配管に広く使用
- STPG(圧力配管用炭素鋼鋼管):350℃以下の圧力ラインに使用
- STPT(高温配管用炭素鋼鋼管):350〜425℃の高温ラインに使用
- STPA(合金鋼管):クロムモリブデン鋼。高温高圧ラインに使用
適用基準
- 流体温度:-30℃〜425℃(鋼種によって異なる)
- 流体の種類:非腐食性流体(水・スチーム・エア・油・ガス)
- 腐食性流体には使用不可(腐食代を設けた設計が必要)
炭素鋼は硫化水素(H₂S)・塩酸・硫酸等の腐食性流体には不向きです。腐食代(肉厚の余裕)を設けても、腐食速度が早い環境では定期的な肉厚測定と更新計画が必要になります。
ステンレス鋼配管(SUS304・SUS316等)
高い耐食性を持ち、食品・医薬品・化学プラントで広く使用されています。
主な鋼種と特性
- SUS304(18-8ステンレス):最も一般的なステンレス。水・弱酸・弱アルカリに適用
- SUS316(18-10-2Mo ステンレス):モリブデン添加で耐孔食性・耐塩化物性が向上。塩水環境・海水冷却ライン
- SUS316L(低炭素):溶接熱影響部の粒界腐食を防止。溶接が多い配管系統
- SUS317(高モリブデン):SUS316より高い耐食性が必要な腐食性流体
- 二相ステンレス(SUS329J4L等):塩化物・孔食に対して特に高い耐食性
適用基準
- 食品・医薬品ラインの衛生的な流体
- 塩化物環境での耐食が必要なライン
- 有機酸・弱無機酸の配管
注意点
ステンレスは炭素鋼より高価です。また塩化物濃度が高い環境では、応力腐食割れ(SCC)のリスクがあります。適用環境とステンレス鋼種の組み合わせには十分注意が必要です。
樹脂管の種類と適用基準
強腐食性流体・薬品ラインには、金属管ではなく樹脂管が適しています。
主な樹脂管の種類
- 硬質塩化ビニル管(VP/VU):一般的な薬品配管。耐薬品性は良好だが耐熱性が低い(60℃以下)
- ポリプロピレン管(PP):耐薬品性・耐熱性(80〜100℃)。酸・アルカリに強い
- PVDF(ポリフッ化ビニリデン)管:優れた耐薬品性・耐熱性。半導体・医薬品の高純度ライン
- PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ライニング管:金属管の内面をPTFEでライニング。強腐食性流体に適用
適用基準
- 強酸・強アルカリ(塩酸・硫酸・NaOH等)の薬品ライン
- 高純度水・超純水ライン(半導体・製薬)
- 低温(常温〜60℃程度)の腐食性流体
注意点
樹脂管は衝撃強度・耐熱性に限界があります。高温・高圧ラインへの適用は、材料の仕様を慎重に確認する必要があります。
材料選択の体系的アプローチ
プラント配管材料を選択する際の実践的な手順を解説します。
ステップ1:流体の特性整理
流体の種類・温度・圧力・pH・腐食性物質の種類・濃度・流量を整理します。PFD(プロセスフローダイアグラム)・P&ID(配管計装図)を参照します。
ステップ2:材料候補の選定
流体特性に基づいて材料候補を選定します。腐食性流体には腐食データベース(ASMEコレゾンデータ等)を活用します。
ステップ3:経済性評価
材料費・施工費・維持管理費(腐食検査頻度・更新サイクル)の総コスト(LCC:ライフサイクルコスト)で比較します。
ステップ4:法規制・規格適合確認
高圧ガス保安法・消防法・食品衛生法等の適用法規と、使用する配管規格(JIS・ASME等)を確認します。
森工業株式会社へのご相談
森工業株式会社はプラント・工場施設の配管工事に対応しています。炭素鋼・ステンレス・樹脂管の施工実績があり、材料選定から配管設計・溶接施工・品質管理まで一貫してサポートします。宮城県内のプラント・工場の配管工事は、お気軽にご相談ください。
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